“あのアツさがないと大作は撮れない”大友監督とタッグを組んで

本作は、『るろうに剣心』シリーズなどで知られる大友啓史さんが監督を務めたことでも話題です。大友監督の演出で印象的だったシーンはありますか？

木村：演出というか…なかなかカットをかけないんですよ。だから、ちょっとしたアクションのある初夜のシーンなんかは、着物が破れたり、人が入り乱れたり、アドリブだらけでもうぐちゃぐちゃ。(笑) カットをかけないことを演出と言うのなら、そのシーンが印象的です。

綾瀬：あまり細かく指示される感じはなくて、割と「その場で自由にやってみて～！」というスタイルでしたよね。

木村：そうだね。それに、監督自身もとても自由。本番中なのに、監督モニターがあるところから、すごい笑い声と「いいね～！」みたいな会話が聞こえてくるんです。

現場の和やかなムードが伝わります。役作りについても、自由な部分が大きかったですか？

木村：濃姫というキャラクター像については、監督からのいろんな要望があったんじゃないかな。逆に、信長に関してはほとんど何も言われなかったんです。だから、この作品における“信長像”を僕がどう捉えたのかを試されている気がしました。

木村さんが大切にしていた信長像を、監督にも具体的にお伝えしたのでしょうか？

はい。「のびのびと自由に生きてきた人間が、心を捨てて自我を失って、いかに鬼になるのかが非常に重要になると思います。」と、僕の想いを率直に。そうしたら監督が、されていたマスクがすっ飛ぶくらいの勢いで「それ！！」って興奮されていて。

綾瀬：監督は映画について話し出すと止まらなくて、自分の中でどんどん盛り上がっちゃうんですよ。そばで見ているだけでも、凄く面白かったです。(笑)

木村：しまいには監督も話の収集がつかなくなって、咳払いするところまでがオチなんだよね。(笑)ただそれだけ作品に賭けるエネルギーが、本当に誰にも負けていないというか。あのアツさがあるからこそ、今回のような大作を作ることができたのだと思いますし、その作品の一員となることができて光栄に感じています。

(※)…取材時の年齢

【衣装クレジット】
■木村拓哉
カーディガン 37,400円／ラッド ミュージシャン(LAD MUSICIAN)、その他／スタイリスト私物
問い合わせ先：ラッド ミュージシャン原宿 TEL 03-3470-6760

スタイリスト 前田勇弥／ヘアメイク 酒井啓介(MARVEE)

■綾瀬はるか
白シャツ 31,900円、黒パンツ 42,900円／エイトン(ATON)、イヤーカフ 16,500円／イー・エム(e.m.)、ピンキーリング 16,500円／エテ(ete)、シューズ／スタイリスト私物

スタイリスト 山本マナ／ヘアメイク 中野明海

作品情報

映画『レジェンド＆バタフライ(THE LEGEND & BUTTERFLY)』
公開日：2023年1月27日(金)
出演：木村拓哉、綾瀬はるか
宮沢氷魚、市川染五郎、音尾琢真、斎藤工、北大路欣也、伊藤英明、中谷美紀
監督：大友啓史
脚本：古沢良太
配給：東映

＜あらすじ＞
尾張の織田信長は、格好ばかりで「大うつけ」と呼ばれていた。この男の元に嫁いできたのは、「マムシの娘」と呼ばれる男勝りの美濃の濃姫だった。権威を振りかざし尊大な態度で濃姫を迎える信長と、臆さぬ物言いで信長に対抗する濃姫。敵対する隣国同士の政略結婚という最悪の出会いを果たした二人は、性格も真逆で、お互いを出し抜いて寝首をかこうと一触即発状態、まるで水と油のような関係だった。

そんなある時、強敵・今川義元の大軍が攻めて来る。圧倒的戦力差を前に絶望しかけた信長であったが、彼を奮い立たせたのは、濃姫の言葉であった。二人はともに戦術を練り、激論の末に奇跡的勝利を収める。真っ向から対立していた二人はこの日から次第に強い絆で結ばれ、やがて誰も成し遂げたことのない天下統一へと向かっていくのであった。

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