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映画『るろうに剣心 最終章』大友啓史監督インタビュー‟佐藤健演じる剣心を軸に、宇宙が回る”

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人気コミック「るろうに剣心−明治剣客浪漫譚-」を原作にした、アクション映画大作『るろうに剣心』シリーズが、2021年ついに最終章を迎える。本記事では、約10年もの歳月をかけて<完結>へと導いた大友啓史監督にインタビューを実施。“るろ剣”にかける並々ならぬ情熱から、主演・佐藤健との絆、また映画作りの魅力までたっぷりと話を伺った。

<大友啓史監督にインタビュー>

  1. ‟沢山の涙”が流れた撮影現場
  2. ‟佐藤健演じる剣心を軸に、宇宙が回る”
  3. ‟感情が見える”アクション
  4. 映画作りの面白さ

‟沢山の涙”が流れた撮影現場

■『るろうに剣心』シリーズ完結おめでとうございます!最終章の全2部作を撮り終えた率直なご感想を教えてください。

これは書かないで下さいよ、僕の手ごたえとしては、…もうすでに皆さんの期待を超えられているんじゃないかなという。…書かないで下さいよ!(笑)

自己満足なのかもしれませんが、最終章に関してはそれだけ胸をはって言える自信があります。僕の人生の中でおそらく経験したことのない、一筋縄ではいかないハードな条件下でこの二作を制作し、現場では、大の大人が本気で怒ったり、沢山の涙を流しながら撮影しましたからね。主演の佐藤健さんも、今回から参加した新ヒロインの有村架純さんも、きっと思いは一緒なはずです。これまで『るろうに剣心』シリーズを一緒に作り上げてきたチームが一丸となって、映画作品としての完結編を最後まで走ることが出来た。振り返ってみても、本当に皆ギリギリのスケジュールと体力の中よくやりきったと思います。

■二部作の撮影というのは、想像することすら容易ではありませんが…。今回の撮影で最もハードに感じたことは何でしょうか?

前回の『京都大火編/伝説の最期編』は<前編/後編>のようなかたちで、繋がりのある物語でしたが、今回の二作は、時代背景/物語のテイストも‟全く異なるモノ”だったということですね。

『るろうに剣心 最終章 The Final』は、新時代の明治を迎え、電気が煌々と照らす東京を舞台にした、マーベル的なエンターテイメント。もう一方の『るろうに剣心 最終章 The Beginning』は、闇の中血を血で争うようなアンダーグラウンドな幕末の京都が舞台――例えるならクリストファー・ノーラン監督のバットマンシリーズ『ダークナイト』みたいな暗さなんです。

この2つの作品を同時に撮っていくスケジュールだったから、それはもうカオスでしょ?明治と幕末ですから。キャラクターの在り様も全く違うわけですからね。

『るろうに剣心 最終章 The Beginning』
『るろうに剣心 最終章 The Beginning』

■具体的にいいますと?

例えば、時系列でいうと、幕末時代の『The Beginning』のほうがキャラクターたちが年齢的に若くなければいけないので、髪の結い位置や肌質など細かい点にも気を遣っています。僕は同時代を舞台にした『龍馬伝』(※)も演出していますから、個人の思いとして、自分が納得しないようないい加減なことはできません。

みな人間ですから、あまりにハードなコンディション下では、間違ってはいけないところが見過ごされたり、つい手を抜いてしまうこともある。そういう些細な要素を見逃すことが、映画「るろうに剣心」シリーズが大切にしてきた世界観を崩す‟大事故”へと繋がってしまいます。

だから僕は撮影期間中ずっと気が抜けなくて、常に目を皿のようにしてモニターにへばりついていましたね。まったく違うテイストの二つの作品を同時期に撮り進めることで、集中力が阻害されたり、何か見過ごしていることはないかって、ずっと気を張ってました。自問自答の日々が続きましたが、‟剣心”という人間が2つの時代を生きたという事実に相違はないので、ただそれをひたすらに信じて物語を紡ぎました。

※『龍馬伝』…2010年に大友監督が手掛けたNHKの大河ドラマ。幕末時代の坂本龍馬の生涯を描き、高視聴率を記録した。また同作品で、岡田以蔵役を務めた佐藤健と初タッグを果たす。

‟佐藤健演じる剣心を軸に、宇宙が回る”

■前作から約5年のブランクがありましたが、大友監督の目に映る主演・佐藤健さんの‟進化”はありましたか?

5年ぶりだから、僕もどうなのかなと当初心配していたんですけど、彼は現場に入るとすぐに剣心に‟戻って”くれましたし、前作以上に存在感が増したことを感じとりました。

ぼく自身、『龍馬伝』をスタートに佐藤健さんとは彼が20歳の頃から付き合いがあって、まるで自分の子供の成長を見守ってきたかのような、ずいぶん長い時間を共有してきたという思いがあるんですね。やはりこの歳月を経て、彼自身も色んなものを‟背負う立場”になってきた。それがさらに、今回の剣心の役柄とも重なるんですよ。

映画『るろうに剣心』は、‟佐藤健さんが演じる剣心を軸にして、宇宙が回っている”と僕は表現しているのですが、それがより一層強くなったと感じます。特にクライマックスの『The Beginning』のほうは、今まで以上に芝居を削いだ彼だからこそできたものなのかもしれないですね。

■大友監督ご自身は、どのように演技指導をされるのでしょうか?

俳優の芝居に関しては、僕は極力、「こうしてほしい」という言い方はしないようにしています。もちろん俳優の資質を見たうえで、ですけどね。必要な時、必要な俳優には遠慮なく伝えますし、手取り足取り演出することもある。

ただ一つ言うと、監督という立場でもっとも注意しなければいけないことは、独善的で押し付けのような間違ったアドバイスをしてしまい、それを俳優が吸収してしまうことなんですよ。最終権限者ですからね、監督は。その過ちやリスクを避けなければならない。だから僕の場合、それぞれの俳優が、与えられた演技でどういうことが起きるのかをまず‟見る”ことからスタートする。言いたいことは山ほどあるのだけど、それをグッと抑えてね。

■俳優×演技の化学反応を観察すると。

はい。そうすると、僕が想像出来なかった演技の‟深み”に出会えることがあるんです。例えば演技の最中、思いがけない瞬間に、涙を流す俳優がいたり。「君のOSシステム、一体どうなってるの?!」と、実際に佐藤健にも聞いたことがあるほどなんですけど(笑)。

でも考えてみたら、人によって違う感情が湧き出るのは当然の事ですよね。同じシチュエーションにあったとしても、僕が感じる感情と、10代、20代、30代の俳優が抱える感情は全員同じな訳がない。置かれた環境やジェンダーの違いが絡んできたら、なおさらね。

でも、だからこそ演じる人によって、その人独自の解釈が生まれ、それは映像/物語の世界を一層豊かにするし、唯一無二の表現にすら繋がると思うんですよ。僕はそんな瞬間に立ち会うことが好きですね。

今回の最終章の中でいうと、悲劇的なヒロイン・巴役(※)を演じた有村さんは、役の‟振れ幅”の大きさとその可能性を感じながら、自分が思う巴像を体当たりでぶつけてくれたような気がしています。運命に導かれ、心の奥底に秘めた複雑な感情に突き動かされていくこの役柄は、ただでさえそう単純にはできませんから。

※巴…剣心が唯一心を許したにも関わらず、その手で惨殺してしまう妻。巴は剣心の頬の十字傷に深く関わるとともに、彼女の存在は剣心が人斬りをやめ、「不殺の誓い」を立てる理由にもなる。

‟感情が見える”アクション

■『るろうに剣心』最終章では、さらにアクションがパワーアップしたと伺っています。中でも剣心と、シリーズ史上最恐の敵・縁のクライマックスのアクションシーンに注目が集まっていますが、どんなことを意識しましたか?

注意したことは、‟感情が見える”アクションにすることですね。最愛の姉・巴を剣心に殺された縁×剣心という構図は、義理の家族でありながら、巴を挟んだ究極の三角関係。その濃密な感情を、ひと振りひと振りの剣の動きに、映像として落とし込むことを大切にしていました。

■3DやVFXといった最新技術に依拠せず、役者のリアルな演技にこだわったことも、‟感情が見える”アクションへと繋がっている?

はい、僕らは肉体=アナログ的なことにこだわった生身のアクションを見せたいんですよ。ボクサー同士じゃないけれど、「話せばいいじゃん!」ていうことを、どうしてここまで命をかけて向き合うのか。特にあの時代の武士というのは、「僕はこう思っている」なんて自分の意見を声高にいうような人たちはいないわけだから、‟剣を合わせて初めて分かる想い”があるということに、『るろうに剣心』の面白さがあると思うんです。つまり、ハート・オブ・ソード=剣の心を通して、自分の心を問い続ける物語。逆にいうと、アクションの実技だけが高くても、決してこの作品は人々の心には響かなかったのではないでしょうか。

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