ミキオサカベ(MIKIO SAKABE)の2022年春夏コレクションが、東京・ウェスレアン・ホーリネス教団 淀橋教会にて、2021年10月23日(土)に発表された。
今季、ミキオサカベのデザイナー・坂部三樹郎は、これまでと大きく変わった自身の意向を反映したコレクションを作り上げた。“個々のアイテム<コレクション全体のイメージ”という構図で、単体のアイテムに向ける“ミクロ”な視点よりも、コレクション全体の流れを強く意識した“マクロ”な視点でクリエイションを展開する。
テーマは“ミニマリズム”。「装飾することに飽きた。」と語る、今の坂部の創作に対する心情を反映したテーマだ。テーラードの仕立てを軸に、“ミニマリズム”をコレクション全体で表現するための要素となる、最低限まで装飾を省いた無機質な表情のアイテムたちを制作した。
個々のアイテムの無機質さを強調するのが、ボックスシルエットのデザイン。コレクション全体を通して用いられているが、ジャケットの類では特に顕著。シャツとのレイヤードによるスタイリングによって、直線的なデザインがより一層分かり易く可視化されている。
また、ショーでは多くのモデルがアイテムを後ろ前で着用。多くのアイテムが実際に後ろ前でも着用可能な仕立てとなっているが、「違和感のあるルックを繰り返すことで、あたかもそれが普通であるかように思えてくるというプロセスを作り上げたかった。」と坂部が話すように、こちらもコレクション全体の流れを意識した仕掛けの一つだ。
コレクションピースは平面的で無機質な表情である一方、色彩は鮮やか。イエロー、ピンク、グリーン、オレンジなどをポイントカラーに起用し、ミキオサカベらしいファンシーなムードも追加されている。
坂部が手掛けるフットウェアブランド・グラウンズ(grounds)からも豊富なバリエーションの新デザインシューズがラインナップ。定番のニット素材アッパーのスニーカーやレザーアッパーのブーツタイプシューズなど、本ショーでは全モデルがグラウンズのシューズを着用した。