ロエベ(LOEWE)は、3回目となる「ロエベ ファンデーション クラフト プライズ」展を東京・赤坂の草月会館にて開催する。期間は、2019年6月26日(水)から7月22日(月)まで。
「クラフトはロエベの真髄」と語るほど、ロエベのクリエイティブ ディレクターであるジョナサン・アンダーソンは“クラフト”の重要性を常に提唱している。「ロエベ ファンデーション クラフト プライズ」は、そんなロエベの命とも言える“クラフト”を臨める展覧会。入場料は無料なので、訪れれば誰でもその世界を体感できる。
展示されるのは、「ロエベ ファンデーション クラフト プライズ」アワードで選考されたファイナリスト達の作品。
「ロエベ ファンデーション クラフト プライズ」は、今日の文化における“クラフト”の重要性を認知するとともに、未来の新たなスタンダードを創出すること、そしてその意思をもつアーティストを評価することを目的にジョナサンが発案した。世界のアーティストを対象に作品を募り、その中から技術的成果と革新性、芸術観という点で選考して、優勝者を選ぶ。
2019年は、深沢直人はじめ9名の専門家で構成される委員会が、マドリッドで2日間にわたって応募作品を審査。そしてファイナリスト29名が選出された。
選考の結果、優秀賞に選ばれたのは、伝統的な漆塗り技術を得意とする石塚源太。京都市立芸術大学で漆工を専攻し、ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アートで学んだのち、再び京都で漆の道を極めた。
これまでにも国際的な賞を受賞している彼の今回の出品作は抽象的な形をしたオブジェ。何層にも塗り重ねた漆が深みと透明感を生み出し、魅惑的な雰囲気を醸しだす。
ジョナサンは、石塚の作品に関して次のように話す。
ジョナサン:石塚さんの作品は、時代を感じさせないタイムレスなピース。“次世代の作品”だと感じました。千年前、今、そして千年後、どの時代に存在してもおかしくないような形だからこそ、素晴らしいと思います。
過去を今に、そして未来にどのように繋ぐかは、若手クリエイターの課題だと思います。彼は、何百年も前から受け継がれてきた漆の技術で、それをうまく実現していました。