ジュンヤ ワタナベ マン(JUNYA WATANABE MAN)は、2026年春夏メンズコレクションを2025年6月27日(金)にフランス・パリで発表した。
デザイナーの渡辺淳弥がフォーカスしたのは、「古いのに新しいと感じるもの、また古いものを再現する過程で生まれた新しいもの」。温故知新の考え方を出発点に、古風な素材やモチーフを駆使して“新しさ”を追求した。
目を引いたのは、多彩なジャカードジャケット。ジュンヤ ワタナベ マン 2004年秋冬コレクションにて披露された、アンティークのインテリアファブリックを用いたテーラードスーツを再現しつつ、新たな装いになるようアレンジを加えた。
ランウェイには、ピンクやイエローに輝くダマスク柄ジャカード、草花模様、植物図鑑を彷彿させるボタニカル柄などが登場。灼けたような色彩と表情豊かな風合いのジャケットには、風景画を表現したタペストリーを採用。インテリアや絵画として“眺める”対象の風景画を、“着る”ものに仕立てることで視点や見え方が変わり、新鮮さを感じさせる。
このように、少し視点をずらして見てみることで感じられる新しさが随所に見て取れる。同様の文脈で、ジャカードの風合いと響き合うような絵画プリントのTシャツやシャツには、トーベ・ヤンソンの肖像画や、エドヴァルド・ムンク、エリザベス・ペイトンの描く人物画をオン。ニットには、牧歌的な家のモチーフや動物の絵柄をあしらった。
オーセンティックな白シャツは前立てや襟、肩などがすべて斜めに仕立てられており、ネクタイも斜めに。また、アシンメトリーにチェーンを装飾したシャツや、バイアスに配したスカーフが優雅に揺れるシャツなどが披露された。
存在感のあるソールを配したニューバランス(New Balance)のスニーカーをはじめ、トリッカーズ(Tricker's)のレザーシューズ、カンペール(CAMPER)のシューズなど、シューズのコラボレーションが充実。
また、上質なシャツを手がけるギローバー(GUY ROVER)ともタッグを組んでいるほか、継続してコラボレーションしているリーバイス(Levi's)のデニムは、プレイフルなパッチワークや生地の“耳”が見える大胆な変形フォルムなど多彩なバリエーションで展開。この他、インナーラウム(Innerraum)の装飾的なクラッチバッグなども披露された。