展覧会「松山智一展：雪月花のとき」が、青森の弘前れんが倉庫美術館にて、2023年10月27日(金)から2024年3月17日(日)まで開催される。

松山智一、初の大規模個展

松山智一(まつやま ともかず)は、1976年岐阜に生まれ、ニューヨークを拠点に活動する現代美術家だ。鮮やかな色彩と精緻な線描による絵画や、大規模なパブリックアートとしての彫刻などを手がけており、その作品には、日本や中国、ヨーロッパなどの絵画からの引用、ファッション誌の切り抜き、日常的に目にする商品やロゴなど、さまざまなイメージがサンプリングされている。

一見しただけでは引用元を判別できないほど複雑にイメージを組み合わせるという松山の作品制作の根底には、自身の半生があるといえる。すなわち、豊かな自然と歴史的な遺産を擁する岐阜に生まれた松山は、少年時代にはアメリカ西海岸のストリートカルチャーにふれ、帰国後、経済学を学んだのちアスリートの世界に身を置くも、20代の頃にデザイン界に転身するというように、世界のさまざまな様相を自ら経験してきたのだ。

日本の美術館では初となる大規模個展「松山智一展：雪月花のとき」では、新作9点を含む日本初公開作品23点に加えて、近年の絵画や彫刻、計30件を展示。さまざまなイメージのコラージュから生まれた緻密な絵画や、パブリック・アートとして屋外設置されることも多いステンレス・スチール製の立体作品など、松山の代表作を目にすることができる。

代表作や新作が一堂に

本展では、ミュージシャン・ゆずからの呼びかけで実現したコラボレーション作品《People With People》をはじめ、松山の活動を代表する作品を一挙公開。また、日本初公開となる極彩色の立体作品《This is What It Feels Like ED.2》と《Mother Other》は、嵌玉眼(かんぎょくがん)や截金(きりかね)文様などの伝統技法を用いつつ、FRP(繊維強化プラスチック)にポリウレタン塗装を施すという、新旧の彫刻技法を組み合わせた作品となっている。

制作にまつわる資料やスケッチも

また、松山の制作の背景にも着目。松山の作品は、伝統的な美術にまつわるリサーチと、日常生活のなかで集めたイメージを、自在に組み合わせることで制作される。こうして生まれる1点の作品には、10〜20にも及ぶイメージが参照されているという。会場では、制作の過程で引用された資料やスケッチなども紹介する。

展覧会概要

2023年度 秋冬プログラム「松山智一展：雪月花のとき」
会期：2023年10月27日(金)〜2024年3月17日(日)
会場：弘前れんが倉庫美術館
住所：⻘森県弘前市吉野町 2-1
開館時間：9:00〜17:00(入館は閉館30分前まで)
休館日：火曜日(1月2日(火)は開館)、年末年始(12月25日(月)〜1月1日(月・祝))
観覧料：一般 1,300円(1,200円)、大学生・専門学校生 1,000円(900円)
※( )内は20名以上の団体料金
※高校生以下、弘前市内の留学生、満65歳以上の弘前市⺠、ひろさき多子家族応援パスポートの持参者、障がい者および付添者1名は無料

【問い合わせ先】
弘前れんが倉庫美術館
TEL：0172-32-8950