弟の死が受け入れられない母のため、弟のフリをして母に手紙を書き続ける、小学生の山吹。空想の世界に生きる母、愛人の元に逃げる父、夢を語ってばかりの適当な祖父と“噓”を扱い仕事をする祖母、そして“嘘と嘘つきが嫌い”な姉。一つ屋根の下に住んでいながらもバラバラに生きている家族の中で山吹は今日も嘘をつきながら成長していくー。
映画『架空の⽝と嘘をつく猫』は、「川のほとりに⽴つ者は」で本屋⼤賞にノミネートされた寺地はるなによる同名小説を原作とする作品。不完全で、やっかいで、でもどこか愛おしい家族の約30年間にわたる“嘘”と“絆”を丁寧に紡いでいる。監督は、『愛に乱暴』で数々の映画祭を沸かせた森ガキ侑⼤。また、『浅⽥家!』で⽇本アカデミー賞脚本賞を受賞した菅野友恵が脚本を担当する。