JR東日本グループは、高輪ゲートウェイ駅周辺における「品川開発プロジェクト(第Ⅰ期)」として、「高輪ゲートウェイシティ(仮称)」のまちづくりを推進。2020年3月の高輪ゲートウェイ駅開業の後、2024年頃のまちびらきを目指す。
「品川開発プロジェクト(第Ⅰ期)」では、「CIYTY UP!」をスローガンに掲げ、多様な魅力あるまちづくりの実現を目指す。まち全体のデザイン構想においては、世界的に著名な建築デザイン事務所である「ピカード・チルトン(Pickard Chilton)」と「隈研吾建築都市設計事務所」を起用。日本の新たな玄関口となる国際交流拠点にふさわしい景観を創出していく。
本プロジェクトによって開発されるのは、4街区からなる駅周辺地域。全体のデザイン構想を考えるにあたって、複数建物を「日本列島の島々」に見立てた「アーキペラーゴ(列島)」を提唱している。かつて海岸線であった場所の記憶を想起させる滑らかな「フロー(流れ)」のような歩行者ネットワークの整備も行う。
また、低層部では、各建物の豊かな緑を連ねることで、緑の丘を構築する一方、高層部では、頂部に統一した動きを持たせることで、建物同士のつながりを持たせ、各建物が個性を持ちながらも「群としての一体感」を表現する。
「ピカード・チルトン」が外装デザインを手掛ける4街区のうち、1街区には住宅や教育施設、2街区には文化創造施設、3街区には生活支援施設や商業施設、そして4街区には2025年春開業予定の「JWマリオット・ホテル東京」や商業施設を設ける予定だ。
緑豊かで滑らかな曲線を持つこれら4街区の建物と、「エキマチ一体まちづくり」の象徴として存在する高輪ゲートウェイ駅によって、周辺一帯は「360度の広場空間」へと生まれ変わる。なお、隈研吾が新駅の全体デザイン構想および外装デザインを手掛けている。
「高輪ゲートウェイ」駅は、田町駅から約1.3Km、品川駅から約0.9Kmの場所に位置する山手線30番目の駅。隈研吾が建築を手掛け、日本の折り紙をモチーフにした大屋根が特徴的な、国際交流拠点にふさわしい日本独自の"和"の文化を感じさせる空間を目指した。
駅構内では、AIを活用した案内ロボットやデジタルサイネージを試行導入し、駅構内や周辺施設、乗り換え案内などの情報提供を行う。また、無人AI決済「タッチ トゥ ゴー(TOUCH TO GO)」が常設店として初めて誕生する。
品川プロジェクト用地を活用したイベント空間をオープン。ここでは、J-WAVEとの共同企画による食・音楽・アートなどをテーマにした施設や日本の食・モノを提供する店舗を開業するほか、参加・体験を中心としたスポーツイベント、最先端技術の活用による展示などの開催も予定している。
なお、現在は、高輪ゲートウェイ駅前用地の一部が「東京2020ライブサイト」の会場となることが決定している。