タオ(TAO)は、2026年春夏コレクションを2025年10月23日(木)に東京・青山で発表した。
今季のテーマは「FLOWER」。デザイナーの栗原たおが、花をモチーフとしたペインティングを手掛けるアーティスト・今村文の作品に感銘を受けたことからクリエイションがスタートしたという。コレクションでは今村文のアートを生地にプリントし、タオらしい服作りの中で、花々に息づく優しさや逞しさを表現した。
ポエティックな雰囲気を描き出す、フリルやギャザーのディテールが印象的だ。テーラードジャケットのサイドや後身頃には、葉が茂るように細やかなギャザーを巡らせ、生き生きとした佇まいに。空気を含むようなバルーンシルエットのスカートには澄んだ水面に波打つようにしてフリルがあしらわれ、丸襟シャツはタックを寄せること緩やかなドレープを描き出している。
フラワーモチーフが咲き誇るフレアシャツやブラウスも、今季の詩的なムードを加速させるアイテム。花々の装飾をたっぷりと配したビスチェは、バックに大ぶりのリボンをあしらい、そのチャーミングさを際立たせた。
遊び心のあるレイヤードは、タオの得意とするオーガンザ使いによって叶えられている。たとえばギンガムチェックのシャツワンピースには、花柄がほんのり色づくシアードレス、フラワーモチーフを繋いだかぎ編みベストを重ね合わせ、素材感と色柄を美しく溶け合わせているのがポイント。フラワープリントTシャツには、乳白色のシアーシャツを羽織り、花がほんのり霞がかったような表情に見せている。
ショーの終盤に入ると、色柄がよりダイナミックに躍動。序盤のグレーやベージュ、中盤のブラックやホワイトといった控えめなパレットから一転、オレンジやレッド、ピンクといった明るい色彩がコレクションを楽し気に彩った。花々のペイントをコラージュして押し花のように仕上げた今村文の作品は、Tシャツやティアードドレス、ステンカラーコートなど多彩なピースへと昇華。華やかなグラデーションチェックのピースとともに提案された。