アンテプリマ(ANTEPRIMA)の2026年春夏コレクションが、2025年9月25日(木)、イタリア・ミラノで発表された。テーマは「Echoes of Transcience」。
所々に水溜まりのある砂利道が、今季のランウェイショーの舞台。視線を上げると鉄パイプが組まれており、さながらそこは工事中の建設現場のようである。
これまでも現代アートから多くのインスピレーションを受けてきたアンテプリマだが、今シーズンは現代美術家・岩崎貴宏とタッグを組んだ。会場のデザインは、鉄塔や工事現場といった現代の日常風景をモチーフにした岩崎の作品にインスパイアされたもの。今回は、日常から非凡なものを生み出す岩崎のクリエイションから着想を得て、儚さの中に希望が見えるようなコレクションを描いていく。
「Echoes of Transcience」──儚さのこだま──というコレクションタイトルの通り、今季のキーピースとなるのは繊細な表情のドレスやブラウスだ。肌を透かすオーガンザやシフォンは、空気と溶け合って詩的な余韻を演出。網目状のスカートからはコードが垂れ、歩みと共にひらりと風に舞っている。
岩崎のクリエイションを落とし込んだであろう、鉄塔を描いたシアートップスや、風景を転写したメッシュドレスもラインナップ。手には工事現場のヘルメットを、ボトムスには作業着を思わせるハーフパンツを合わせるなどして、アートの世界観を全体で表現した。
また今季ならではの遊びあるアイデアとして、ポロシャツをスカートに見立てたルックが登場。トップスの色柄とリンクさせ、ギミックの効いたワンピース風のスタイリングを叶えた。視点ひとつで、既存の価値観を揺るがす手法は、岩崎のスピリットにも通ずる。
コレクションに華を添えるバッグ類にも注目。アイコニックなワイヤーバッグはマイクロミニサイズで解釈され、スタイリングにジュエリーのような煌めきをプラス。ハンド、クロスボディといった使い方だけでなく、ベルトのようにウエストマークするコーディネートも目に留まった。このほか、ラメが煌めくネットバッグや、今季の洋服と対応するマルチボーダーのワイヤーバッグ、上下逆で使える2WAYネットバッグなどが展開された。