アキコアオキ(AKIKOAOKI)の2026年春夏コレクションが、2025年8月25日(月)、東京・広尾ギャラリーにて発表された。
“ユニフォームウェア”をブランドの核として掲げるアキコアオキ。スーツを美しく気崩したり、テーラリングにさりげない違和感を添えたりと、これまでにも多彩な手法でフォーマルな服を再解釈してきた。
そんなアキコアオキが次なるステップとして掲げるのは、“ユニフォームのカジュアル化”。「あらゆる階級をなくし、フラットに見せてくれるユニフォームウェアが好き。けれども、皆を画一的にするユニフォームの在り方は時代と合っていない部分がある。だから今季は、ブランドが持つユニフォーム性と、今の時代が持つカジュアルさをグラデーションのように融合させようと思った。」デザイナー・青木明子はそう語る。
アキコアオキ流カジュアル、その代表格となるのが、ブランドには珍しいスウェットパーカーだ。フードを被りハンサムな表情を引き出しつつ、スリーブレスに仕立てることでヘルシーに肌見せ。袖部分を結んだノットディテールにより、柔らかなドレープ感も演出した。草花柄が浮かび上がるシアードレスや、艶やかなサテンドレスとのコンビネーションで、カジュアルとドレスアップの絶妙なバランスを追求している。
ブランドの得意とするスーツもまた、日常のワードローブとしてカジュアルに着用できる仕様にアレンジ。フォーマルなジャケットはスリーブやカラーを排して堅苦しさを払拭、タック入りのパンツはハーフ丈でアクティブな表情に引き寄せている。このほか、フロントボタンを並べて“Yシャツ風”に仕立てたテーラードジャケットや、スウェット素材のスラックスなどもコレクションを軽やかに彩った。
カジュアルをテーマに掲げつつ、コレクション全体に漂う女性らしさと気品。その鍵を握るのが、サテンやレースなど、女性の身体に寄り添ってエレガントな表情を見せるランジェリー風の布地である。肌を透かす薄手のニットポロには、繊細なレースのパネルが付いたハーフパンツをコンビネーション。ベビーピンクのロングドレスは、流れるようなサテンとレースディテールによりスリップドレスのような親密さを漂わせている。
フォーマルとカジュアルの融合を掲げる今季のテーマに合わせ、シューズにもハイブリット感のあるデザインが勢ぞろい。バレエシューズとスニーカーをドッキングさせたメリージェーンシューズや、ブロックヒールが目を惹くローファーミュールの新色がコレクションを彩った。またバッグには、ロッキングチェアのように“揺れる”フォルムのレザーバッグをはじめ、コンビニのビニール袋をイメージしたクリアバッグ、紙袋とハンドバッグをドッキングしたデザインのレザーバッグなどが登場した。