エルメス(HERMÈS)は、2026年春夏メンズコレクションを2025年6月28日(土)にフランス・パリで発表した。
エルメスが提案するのは、重力を感じさせない軽やかな夏の佇まいだ。すっきりと研ぎ澄まされた直線的なシルエットのウェアに、足元にはロープソールのサンダルをコーディネート。爽やかな風をまとうような、涼やかな装いを提示する。
目に留まるのは、オープンワークを施したラムスキンのレザーウェア。細いレザーのリボンを組み込み、繊細な格子状に仕上げたレザーカーディガンやシャツが登場した。バーガンディのブルゾンにはホワイトのレザーリボンも織り交ぜてバイカラーに。また、パンツのサイドラインや、トップスのアクセントとして部分的に細やかなオープンワークを施したピースも展開された。
軽快に揺れ動くしなやかなレザージャケットには、馬具をモチーフにした幾何学的な模様を刻印。ニットには波目模様の透かしを施すなど、職人技の光るディテールが散見されている。
柔らかな光沢を備えたシャンタン、もしくはナチュラルなシワ感を刻んだウールキャンバスのジャケットをはじめ、裾をタックインしてアクティブに着こなしたテクニカル素材のジャケットなど、素材の質感からも軽さを感じられる。
特に、イブニングルックに見られるシルクを用いたウェアは、なめらかな手触りと柔らかさによって流れるような佇まいを描き出している。リュクスなドレープを描くスカーフ付きのトップスや、シルクキャンバスのハイウエストパンツ、しなやかな落ち感のプリントシャツジャケットなどが登場している。
洗練された色彩も印象的だ。砂浜を思わせるグラデーションニット、凛としたアイスグレーのクロコダイルジャケット、クリーミーなアイボリーのレザーブルゾンなど、明るく穏やかな色彩がクリーンなムードを描き出す。白いステッチの映えるレザージャケットやウエストベルト付きパンツを彩る、ウォーミングなコーヒーブラウンカラーも散見された。
また、バッグはゆったりとした容量のバッグを提案。立体的なフォルムのボストンバッグや、2つのフラップにそれぞれベルトを配したレザーバッグなど、上品な表情のバッグが揃う。
レザーに加え、多数見て取れたのはキャンバスバッグだ。抽象化された馬のグラフィックが印象的なバッグや、楽しそうな猿のイラストをあしらったプレイフルなデザイン、開き口を折って肩にかけられるトートバッグが披露された。ゆったりとしたレザートリムのキャンバスバッグは、トラベルバッグにガーメントバッグが一体化したデザインを採用。ベルトでガーメントバッグを固定する仕様となっており、実用性とともにさりげない遊び心を効かせている。