MSGM(エムエスジーエム)は、2026年春夏メンズコレクションをイタリア・ミラノにてプレゼンテーション形式で発表した。
今季は、まるで身体が浮遊するかのような高揚感を表す“I FELL THE RUSH”をテーマに、自転車のあるライフスタイルに着目。MSGMクリエイティブディレクターのマッシモ・ジョルジェッティは、レース競技としての自転車が喚起するアドレナリンと、都会を駆け抜ける移動手段としての自転車の自由なスピリットをクリエーションに反映した。
象徴的なのは、爽やかな青空を背景に自転車の姿をとらえたグラフィック。草原を背景にバイクが佇む様を絵画的に表現したオープンカラーシャツやニット、バイカーが自転車を使って空高くジャンプする様を写したプリントカットソーが登場している。
また、猫が自転車を漕ぐ様子を手描きプリントで配した白シャツや、バイカーのシルエットをストライプの“ロード”上にあしらったニットポロシャツなど、様々なバイクライフをプレイフルに表現したウェアもアイキャッチ。ブラックのスウェットシャツには、自転車のタイヤをミニチュア化したボタンを全面に並べて、遊び心とともに自転車愛を表現している。
アクティブなディテールにも注目だ。ハンドルを握っていても、身の回りのものをしまっておけるよう立体的なポケットを配したシャツや、パンチングで穴を開けたウェアなど、自由な動きをサポートするようなデザインが採用されている。軽快な素材で仕立てたテーラードジャケットには、ホワイトのラインでパイピングを施し、トラックジャケットの要素を取り入れている。
カラーは、イタリアで行われる有名なサイクルロードレース「ジロ・デ・イタリア」においてトップ選手が着るピンクのジャージ“MAGLIA ROSA”と、フランスの自転車レース「ツール・ド・フランス」に採用されているイエローのジャージからインスパイア。ロゴ入りニットをはじめ、ピンクのブルゾンや、イエローのTシャツ、ブークレニットなど、多彩なアイテムにキーカラーとして落とし込まれている。
さらに、自転車に乗るのに最適な、晴れた日の太陽光を思わせる色彩も散見された。風合い豊かな草木染めデニムのオレンジのワークシャツやワークパンツ、オレンジからピンクへと移り変わるチェック柄の半袖シャツとショーツ、部分的に淡く褪色させたニットなど、温かみのある色合いが自然の中を駆けていくときの開放感を連想させる。