ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)は、2026年春夏メンズコレクションを2025年6月21日(土)にイタリア・ミラノにて発表した。
「パジャマボーイズ(PYJAMA BOYS)」がテーマの今季は、1990年代からドルチェ&ガッバーナのDNAとしてコレクションに登場してきたパジャマを、イタリアンスタイルで再解釈。コットンジャカードのストライプ柄パジャマを主軸に、朝部屋のベッドから起きてそのままアウターを羽織って出てきたような、リラクシングな装いでありつつ、リュクスなムードをまとったスタイルを提示した。
クロコダイルのクラッチバッグをさりげなく合わせたり、ボリュームのあるファーのガウンコートやシアリングジャケットを重ねたりと、コンフォートでカジュアルな装いに、ドルチェ&ガッバーナらしい華やかさを加えているのが特徴だ。
散見されたのは、パジャマと外出着をミックスして組み合わせたコーディネート。春夏らしく軽快なテクスチャーのテーラードジャケットを着用したルックをはじめ、オールホワイトのクリーンなセットアップ、ゆったりとしたトレンチコートを羽織ったスタイリング、パジャマパンツにドット柄ブラウスを合わせたルック、シックなブラックのストライプ地で仕立てたスーツなどが見て取れた。かっちりとしたテーラードジャケットにはカメオのブローチや輝きを放つビジューのブローチをプラスし、特別感のあるエッセンスを加えている。
1980年代からインスパイアされたレザージャケットやレザーパンツ、クロコダイルレザーのシャツジャケット、深みのある艶を備えたアイコニックなレオパード柄コートなど、軽やかなパジャマとは対照的に、重厚感のあるアイテムもパジャマとコーディネート。意外性のある組み合わせを実践することで、パジャマを着て外に出る装いの、可能性の幅広さを示唆している。
コレクションの中には、多彩なバリエーションのパジャマが登場。シワ加工を施して肩の力の抜けた佇まいに仕上げたパジャマシャツとパンツをはじめ、カットアウトを施した穴あきフーディーや、爽やかなライトブルーのスウェットの上下などが披露された。オーセンティックなストライプ地のパジャマはブルーをはじめ、レッドやピンク、オレンジ、ミントグリーンなど、明るい色合いが目を引く。
ボトムスはいずれも、ウエストをずらしたような二重の仕様になっている。ルーズな腰穿き風のデザインでリラックス感を強調するほか、コーディネートのアクセントとしても機能していた。
コレクションのフィナーレを象徴的に飾ったのは、きらびやかな刺繍を施したイブニングのパジャマルック。小花を散りばめたようなビーズ刺繍や、デコラティブなフローラルパターンを配したパジャマ、全面にクリスタルの手装飾を施したパジャマなど、クチュールライクなパジャマの数々が登場した。モデルたちはランウェイからそのまま会場の外へと繰り出していき、“パジャマを着たまま”でありながらも、より一層ラグジュアリーな装いで街中を闊歩した。