映画『春画先生』が2023年10月13日(金)より公開される。主演は内野聖陽、ヒロインは北香那。監督は塩田明彦が務める。
春画とは?
遡ると平安時代からはじまり江戸時代の木版画技術の発達でピークに達した春画。それは人間の性的な交わりを描いたものだった。鈴木春信、鳥居清長、喜多川歌麿、葛飾北斎、歌川国貞など……名だたる浮世絵師のほとんどが手掛けていた春画は、江戸時代には、単に好色な男性のためのものではなく、身分を問わず多くの老若男女が愛好していた。その根底には、明治時代以降、西洋のキリスト教文化が入る以前の日本人が持っていたとされる“性をおおらかに肯定する精神”が広がったものだった。
そんな春画は江戸時代、幕府から禁止された“禁制品”であり、日本美術史においても長らくタブーとされていた。映画においてもタブーとされ、性器部分の描写は映倫審査でボカシ加工が必要だった。
映画『春画先生』は、劇映画初のR15+で認証され、日本映画史上初“無修正”で浮世絵春画がスクリーンに映し出されるのもポイントになっている。
映画『春画先生』は、そんな春画の奥深い魅力を“真面目に、可笑しく”教えてくれるオリジナル作品。「春画先生」としっかり者の弟子の姿を通して、好きなものにのめり込んでいく者たちの悦びと情熱、そして究極の“推し活”を描く異色のコメディだ。
主演を務めるのは、『劇場版 きのう何食べた?』などで個性的な役柄を演じてきた内野聖陽。ヒロインは、注目の若手女優・北香那が務める。
芳賀一郎…内野聖陽
通称“春画先生”。高名な春画研究家であり、好きなことに没頭するオタク的なこじらせ中年男性。妻に先立たれ世捨て人のように春画の研究に没頭。弓子が働く老舗喫茶店の常連客。弓子に対して“春画講座”を開く。探求心のあまり、話の途中に夢中で“春画メモ”をしたり、弓子との関わりが希薄になったことでへこんでしまったり、手に入れたい春画作品を追い求め音信不通になってしまったり。春画のためなら手段を選ばず周りの人間を振り回してしまう。
春野弓子…北香那
老舗喫茶店でウェイトレスとして働く女性。将来への夢もないまま無為な日々を過ごしていたある日、人目をはばからず春画をじっと見つめる芳賀一郎と出会う。春画への興味と芳賀に一目ぼれしてしまった弓子は芳賀宅を訪ね、“春画講座”を受けることに。
辻村俊介...柄本佑
「春画大全」の編集者で「春画大全」を早く完成させようと奔走。意欲に欠ける芳賀の執筆意欲を取り戻すため公私の境なく躍起になる。芳賀のよき理解者でもある。性に対して大らかで軽妙洒脱な通称“いい加減な色男”。
本郷絹代...白川和子
芳賀家三代にわたり仕えるおばあさん。春野弓子に嫉妬する女心も…。
藤村一葉...安達祐実
芳賀の亡き妻・伊都の姉。一葉もまた、春画の魅力に取りつかれた人物である。芳賀と弓子にとってなくてはならない存在だが、ある試練を与え、深みへと誘い込む…。