国際⼈材交流事業の⼀環で⽇本へやってきたフランス⼈⼥性コリーは、臓器の移植を必要とする人と関わるレシピエント移植コーディネーターとして、⽇本で数少ない⼩児⼼臓移植実施施設の病院でサポートスタッフとして働き始める。
移植を待つ重症の⼩児を多く受け持つその病院では、限られた⼈員で必死に⽇々の業務をこなし、切実な状況にある患者やその家族と向き合っていた。コリーはそうした厳しい環境の中でも、患者家族をはじめ、従事する医師や看護師、コーディネーター、保育士や院内学級の先生らと触れ合ううちに、移植医療をめぐる⼈々の輪の暖かさを再認識していく。しかし、そんな彼⼥の⼼を⽀えてくれていた屋久島で出逢った恋⼈・迅が、ある⽇なんの前触れもなく同居していた家から消えてしまう。
映画『たしかにあった幻』は、河瀨直美が監督・脚本を務めるヒューマンドラマ映画。小児臓器移植実施施設を舞台に、命の尊さを描くと同時に、失踪した恋人の行方を追う主人公の姿を通じて愛と喪失、希望を描く。ヴィッキー・クリープスが主演を務め、寛一郎が共演。