クレージュ(courrèges)の2021年秋冬コレクションが発表された。
今シーズンは、新アーティスティック・ディレクターに就任したニコラス・デ・フェリーチェによる初コレクション。彼は、バレンシアガ(BALENCIAGA)、ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)、ディオール(DIOR)など、名だたるメゾンで経験を積んだ人物である。
ファーストコレクションのテーマに掲げたのは「I can feel your heartbeat」。メゾンの人気に火が付き始めた1960年代から70年代にかけてのコードをモダンにアレンジすることで、創業者アンドレ・クレージュにオマージュを捧げている。
ファーストルックは、チェック柄のビッグコートから。これは、アンドレ・クレージュが1963年に発表したアーカイブ柄を再現したものだという。ランウェイに多数登場したミニスカートやフレアシルエットのパンツが、60年代に爆発的なブームを巻き起こした「ミニ・ルック」や「パンタロンルック」からインスパイアされているのも明解だ。
1969年にメゾンが発表したカットアウトのテーマから着想し、ウエスト部分を大胆にくり抜いたミニワンピースや、ショルダー部分に複数のカッティングを施したトップスも登場。これらは、ニコラス・デ・フェリーチェが青春を過ごしたベルギーのクラブシーンからインスピレーションを得たものでもある。
ショー終盤に現れたのは、「サークル&スクエア」シルエットのジャンプスーツや、スクエアカットのキャミソールなど。若き日のアンドレ・クレージュによるクリエーションに習い、幾何学的な構造を追求している。