特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」が、東京国立博物館 平成館にて、2021年4月13日(火)から5月30日(日)まで開催される。なお、当初は2020年7月14日(火)から8月30日(日)までの会期を予定していたが、変更となった。
「国宝 鳥獣戯画のすべて」でフォーカスを当てる「鳥獣戯画」は、擬人化した動物や人びとの営みを墨一色で躍動的に描いた国宝作品だ。同作は甲・乙・丙・丁の4巻で構成されており、本展ではそれら4巻の全場面を史上初めて一挙公開。加えて、4巻から分かれた断簡、さらに原本では既に失われた場面を留めた模本の数々も集結し、まさに「鳥獣戯画」の“すべて”を堪能することができる機会となる。
また、会場では新たな鑑賞方法として、「鳥獣戯画 甲巻」の鑑賞に“動く歩道”を導入。まるで絵巻を巻き広げながら鑑賞しているような気分を味わえるユニークな試みとなっている。
展覧会タイトルと同名の第1章は、「鳥獣戯画」甲・乙・丙・丁の4巻全場面を一挙に公開する本展のメインセクション。制作時期や筆者も異なるとされる4巻それぞれで異なる趣向を横断的に見比べることができる。
似通って見える各巻の擬人化された兎や猿、蛙などは、よく見比べると線描の太さや墨色の濃さなどの違いが多数。そのほか、甲と丁の法会の場面、丙と丁の験競べといった人間と動物同士で同じ行動を取っている場面を比較してみるなど、本展ならではの様々な「鳥獣戯画」の楽しみ方を提案する。
「鳥獣戯画」は、伝来の過程で本来の巻物から分かれ、一場面ごとの掛け軸になった断簡が存在する。本章ではその断簡と、現在既に失われた「鳥獣戯画」の原本を写し留めた模本作品を展示する。
中でも重要文化財に指定されている「鳥獣戯画断簡(東博本)」は要注目。画面左手の黒点が甲巻の第16紙に繋がることから、本来存在したパートを特定することが出来る貴重な資料作品となっている。
第3章では「鳥獣戯画」が伝わった京都・高山寺と、鎌倉時代に高山寺を再興した明恵上人をフィーチャー。高山寺でも一般公開されていないため“秘仏”とされる重要文化財「明恵上人坐像」や、国宝「華厳宗祖師絵伝」など高山寺蔵の選りすぐりの名宝を紹介する。
特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」
会期:2021年4月13日(火)~5月30日(日)
※当初は2020年7月14日(火)から8月30日(日)までの会期を予定していたが変更
会場:東京国立博物館 平成館
住所:東京都台東区上野公園13-9
※会期などは変更となる場合あり
※詳細は決まり次第展覧会公式サイトなどにて告知
【問い合わせ先】
TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)