MM6 メゾン マルジェラ(MM6 Maison Margiela)の17年春夏アヴァンプルミエールコレクションは、今まで培ってきたものを再解釈て魅せていく。

メゾン マルジェラの礎を崩さないデザインの提案が主軸だ。平面と立体を表裏一体にさせたワードローブはそのひとつ。デニムのスカートは、平面を折りたたんで台形スカートにし、折りたたんだ先は女性らしくリボンを結んでいる。シンプルなカクテルワンピースも一枚のテキスタイルからできているかのように平らなフォルム。

定番である異素材の組み合わせも今シーズン風だ。ドレープ部分とカットソー部分、緩急のある素材を用組み合わせているが、いつもと違って色だけは統一している。

これまで提唱してきた「着る人が最後のデザインをする」というようなニュアンスはディテールに反映されている。ベルトが施されたパンツには紐を掛ける“部品”が用いられていて、それはリボンを結べば…、アクセサリーを付ければ…、というようなDIY要素を秘めている。赤のブルゾン、白いシャツに付けられているシルバーのアームカフスのようなものも同じ“部品”と言えるだろう。

このように今までの指針に沿うように、デザインを落とし込めばいつの間にかメゾン マルジェラらしい女性らしさが生まれる。その中で、少しずつ進化を重ねている。“どのようにして着るか”思考を凝らす服。それがMM6 メゾン マルジェラの醍醐味なのかもしれない。