ジャックムス(JACQUEMUS)の2017年春夏ウィメンズコレクションが、パリ・ファッション・ウィーク初日の2016年9月27日(火)に発表された。
今季は、フィンセント・ファン・ゴッホの名作≪アルルの女≫の題名に用いられた、南仏プロヴァンス・アルル地区に住む人々がモデルとなっている。コックや牧師、ラベンダー畑で働く女性など、彼女たちが着ているユニフォームをモダンにアレンジ。ジャックスらしい奇想天外な発想で、伝統的な装いをコレクションピースへと昇華させる。
ホワイトやブラックなど落ち着いた色彩のリネン、コットン、ウールで仕上げたアイテムは、どこかボヘミアンなムード。差し込まれた、鮮やかな赤やドット柄の唐突さが、自由を愛するボヘミアンのスピリットと合致する。
太さやレングスに差異はあるが、ボトムスはシンプルですっきりとしている。反して、トップスは枠に縛られることなく変幻自在。特にアーム部分での遊びは面白く、男性的なシャツの袖をお団子のような形にしたり、ラウンド型にしてフリルをあしらったり、左右不均衡に翼のように広げたりして楽しんでいる。一方、ボディラインは窮屈そうなまでにタイトに絞ったものや不規則にボタンを配置したものなど、ユーモラスな刺激で観客の心をくすぐる。
ジャケットはレースを用いて、女性らしく仕上げた。素材選びはフェミニンであるのに、身体から浮いているような独特のサイジングのため、やはり柔らかさよりもファニーな表情が際立っている。シューズもウェア同様に、幾何学的なヒールを組み合わせて個性的な印象だ。