ヴィヴィアーノ(VIVIANO)は、2024年春夏コレクションを、渋谷ヒカリエにて2023年9月2日(土)に発表した。
今季のテーマは、「美しい夏」を意味する“Le Bel Été”。映画『ロシュフォールの恋人たち』からインスピレーションを得ており、服を着て幸せになる気持ちを、作品のロマンティックなストーリーに重ね合わせて表現したという。
象徴的なのは、『ロシュフォールの恋人たち』の海沿いのシーンを彷彿させる、セーラーカラーやセーラーハットなどのマリンテイストを取り入れたルック。太陽の光を受けて輝くメタリックシルバーのマリンパンツにセーラーカラーの白ブラウスを合わせたスタイリングに始まり、セーラーカラーを配したデニムセットアップやテーラードベストなどが登場している。
ヴィヴィアーノのアイコニックなチュールアイテムも、踊り出したくなるような、楽しげなムードをまとった色彩に。軽やかなピンクのチュールを用いてギャザーを幾重にも寄せ、白のボウタイブラウスに組み合わせたルックをはじめ、太陽の光を思わせるまぶしいイエローのコート、ピンクとイエローのチュールをたっぷりと重ねてプレイフルに仕上げたドレスなどが披露された。
デニムのセットアップには、ブルーを基調としたグラデーションのチュールを贅沢にプラス。繊細に折り重なる色彩の濃淡とフリルギャザーの躍動が相まって、絶え間なく揺れ動く海のような佇まいを見せる。
プリントで表現された“アンスリュームの花”も、目を引く今季ならではのモチーフだ。夏の花であるアンスリュームの情熱的なエネルギーを、華やかなピンクを背景に総柄で表現した。自由な曲線を描くようにフリルを配したオフショルダートップスとスカートのセットアップや、たっぷりと生地を用いてバルーンのようなフォルムに仕上げたドレスなど、花々の生き生きとしたムードを投影したウェアが披露された。
中でも特に存在感を放っていたのはラストルックのドレスだ。アンスリュームの花を散りばめた、軽やかな布地を贅沢に使用し、フロントにはギャザーを寄せ、バックは大らかなカーブを描くようなフォルムに仕上げた。歩を進める度に、ふんわりとたくさんの空気を含んで揺れ動くドレスは、これから訪れるであろう“幸せの予感”に心を躍らせる様子を象徴しているかのようであった。