渋谷スクランブルスクエア第II期プロジェクトとして、中央棟と西棟が2031年度に完成予定。2025年5月より工事に着工する。
渋谷スクランブルスクエアの第I期プロジェクトにより2019年11月1日(金)に開業した東棟に続いて、第II期プロジェクトとして中央棟と西棟の工事に着手。中央棟は現在のJR渋谷駅の直上に、西棟は2020年3月末をもって閉店した東急百貨店東横店の跡地周辺に建設される。
2029年度竣工予定の「渋谷アッパー・ウエスト・プロジェクト」など再開発が進む渋谷の街において、「渋谷ヒカリエ」「渋谷サクラステージ」「渋谷アクシュ」「渋谷ストリーム」など既存施設も含め、さらなるにぎわいが期待できそうだ。
2031年度ごろにグランドオープンを迎える渋谷スクランブルスクエアは、日本最大級の都心型駅上ショッピングセンターとなる見込み。中央棟・東棟・西棟の全3棟が4~10階で繋がっており、フロア面積は最大約6,000平方メートルにも及ぶ。
新たに建つ中央棟と西棟では、ハチ公前広場やスクランブル交差点など、渋谷を象徴する観光スポットに面した立地ならではの空間を整備。特に中央棟の10階広場には、スクランブル交差点をはじめ、渋谷駅西側の景観、山手線沿いの代々木公園、さらには新宿の高層ビル群も広がっており、日本夜景遺産に登録された渋谷スクランブルスクエア東棟の展望台「渋谷スカイ(SHIBUYA SKY)」とはまた違った、唯一無二の景色を楽しめる。
なお、10階屋上のデザインは、建築家の妹島和世と西沢立衛によるユニット「サナア(SANAA)」が手掛ける。
渋谷スクランブルスクエア 中央棟・西棟の完成に先駆けて、⾧年にわたって改良工事を続けてきた渋谷駅の通路や改札、階段などの駅設備や駅機能を担う主要施設がおおむね完成を迎える模様だ。概成は2030年度を予定している。
渋谷駅3階のJR線および銀座線コンコースが概成を迎えるのに連動し、渋谷駅を中心とした東西南北につながる、2~4階レベルでのデッキ階の歩行者ネットワークが新たに誕生する。たとえば、銀座線渋谷駅のちょうど真上に位置する「4階東口スカイウェイ(仮称)」は空中回廊として通行可能。渋谷駅から渋谷スクランブルスクエア 中央棟に接続し、駅前の回遊性を向上させるほか、渋谷駅東口エリアおよび新宿方面・恵比寿方面まで眺望することのできる見晴らしの良いスポットとなる。
また、渋谷スクランブルスクエア西棟の前面には約3,000平方メートルの規模で歩行者デッキ「西口3階上空施設(仮称)」を整備。JRと銀座線の3階改札から渋谷中央街・桜丘方面を繋ぎ、渋谷スクランブルスクエア西棟にも接続するデッキとなる。
さらに、地上レベルの自由通路も整備。JRハチ公改札前に最大幅員22メートル、JR南改札前に最大幅員23メートルの東西を結ぶ新通路が生まれることで、渋谷駅から東側の宮益坂方面、西側の道玄坂方面へのアクセス性が大きく向上。従来よりも開かれた駅空間となり、渋谷駅周辺の混雑緩和も期待される。
〈2030年度概成予定の主な歩行者空間〉
4階東口スカイウェイ(仮称):JR渋谷駅~渋谷ヒカリエを結ぶ歩行者ネットワーク。銀座線渋谷駅ホームの直上にまっすぐ沿った形で整備される。
西口3階上空施設(仮称):JR渋谷駅および銀座線渋谷駅の3階改札~渋谷スクランブルスクエア西棟~渋谷中央街方面、桜丘方面を結ぶ歩行者デッキ。
地上自由通路:JR渋谷駅 ハチ公改札前~JR渋谷駅 南改札前を貫通する東西の自由通路。
渋谷スクランブルスクエア 中央棟・西棟完成後、渋谷駅前の広場空間が全体的な完成を迎えるのは2034年度を予定している。
まず、2033年度に渋谷スクランブルスクエア 中央棟4階に最先端技術を活用したコンテンツを体感できる施設「4階パビリオン(仮称)」が誕生し、中央棟4階とハチ公広場をつなぐ歩行者ネットワーク向上のための縦軸移動空間「アーバン・コア」が整備される。
JR 山手線・埼京線のすぐ上に誕生する「4階パビリオン(仮称)」は、渋谷スクランブル交差点を至近で見渡すことのできる新スポットとなる。デザインは、隈研吾建築都市設計事務所が手掛ける。「4階パビリオン(仮称)」の位置する中央棟4階と、地上のハチ公広場のスムーズな行き来を可能にするのが「アーバン・コア」。エレベーターやエスカレーターといった上下移動の設備により、街の回遊性を向上させる。