マルニ(MARNI)の2022年秋冬コレクションが発表された。
今シーズンのマルニは、ロマンティックでありながら、どこからアンダーグラウンドなムードが漂う“ダークなおとぎ話”のような世界観。予定調和を覆す、クリエイティブ・ディレクター フランチェスコ・リッソならではの奇抜なアイデアをもってして、寓話的で不可思議なクリエーションを展開している。
今季のシグネチャーであるチェック柄のテーラードスーツや、繊細な刺繍を施したグラデーションカラーのドレスなど、ベースにあるのはクラシカルでエレガントな要素だ。一方、ジャケットにレイヤードしたニットの袖は、地面についてしまうほど長くてルーズ。リュクスなドレスの裾には、ダメージを受け、切り裂かれたようなディテールを施すなど、どこか反抗的な要素を盛り込んでいる。
プレイフルとダークネス、相反する二つの要素をあたたかく包み込むのが、職人の手仕事が醸し出すクラフト感。伝統的なテーラリングの技術を駆使したサルトリアルスーツ、花柄のファブリックやレザーを切り張りしたパッチワークのパンツなどがその好例だ。
存在感あふれるヘッドアクセサリーも、目を引くピース。ぬいぐるみを付したニット帽やハンドメイド風のティアラ、頭に洋服を巻き付けたかのようなピースが、それぞれのルックにまるでおとぎ話の登場人物のようなキャラクター性を与え、フランチェスコ・リッソが生み出すミステリアスな世界観を加速させている。