オフ-ホワイト c/o ヴァージル アブロー(OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH)の2022-23年秋冬コレクションが発表された。
ブランド創設者兼クリエイティブ・ディレクターであるヴァージル・アブローが逝去して以来、初のコレクション発表となった2022年秋冬シーズン。彼の人生そのものを祝し、「宇宙船地球号:想像上の経験(Spaceship Earth: an Imaginary Experience)」と銘打ったショーは、メンズ・ウィメンズのレディトゥウェア、そしてヴァージルがデザイン・構想・最終決定までを手掛けた初の「ハイファッション(High Fashion)」ラインの発表を含むボリューミーな内容となった。
ウィメンズコレクション「Seeing Red」では、ハイテク、ボヘミアン、サブカルチャーの要素を融合させた90年代風スタイルを提案。ネオンカラーがちらりと覗くフィーチャーリスティックなカッティングのニットワンピースや、エスニックなパターンのフーディー、スケートボード&スノーボードウェアを再解釈したタイダイ柄のジャケットなどが登場している。
メンズコレクション「Foreign Exchange」では、メンズウェアの定番であるテーラードやスポーツウェア、アウトドアウェアに、シルエットやマテリアルでひねりを効かせて、新鮮な表情にアップデート。ウエストベルトを配した千鳥格子のテーラードジャケットは、リラクシングでありながらフィット感のあるフォルムで。トラウザーには上質なレザー、ダウンジャケットにはキャンバス地、フットボールTシャツにはニットを採用し、フレッシュな印象に進化させた。
今シーズンの目玉として登場したのが、デビューコレクションとなる「ハイファッション」ライン。ボリューミーなシルクタフタのモワレドレスや、フリルがドラマチックなラインを描くプリーツドレスなど、クラフトマンシップが光るオートクチュールのような28ルックが並ぶ。
ヴァージルによる「ハイファッション」ラインを象徴するのが、「The Falling Leaves」と名付けられたルック。オーガンザのテクニカルジャケット&プリーツスカートを合わせたタイダイ柄のルックは、スポーツウェアをベースにしており、オートクチュールをリアルライフに落とし込むという彼のアイデアを色濃く反映したものだ。
オートクチュールをデイリーに落とし込むというアイデアは、ヴァージル・アブロー自身のファッションから着想したルック「The Verg」からも見て取れる。ミルフィーユ状のボリューミーなスカートに、アルカンターラを用いたジップアップジャケット、ベースボールキャップ、スニーカー、サングラスを組み合わせたスタイルは、ヴァージルがプライベートでリアルに愛したファッションコードに通じている。