ハレ(HARE)の2022年春夏コレクションが、2021年9月3日(金)に発表された。

日本の文化を落とし込んだ“視覚の愉しみ”

ハレが今季にテーマとしたのは、「視覚娯楽」。オーバーなサイズ感、軽やかな素材、そして明るい色彩が織りなす軽快なカジュアルウェアを基調に、日本古来の文化や遊びのモチーフを随所に取り入れた。

艶やかなマーブル柄のような総柄は、漆芸家・高橋悠眞とのコラボレーションによるもの。漆を転写することで、木目の温かみをほのめかしつつも、鮮やかなピンクや凍ったようなライトブルーの色鮮やかなカラーリングで洗練されたムードに昇華した。シャープなシルエットを描くロング丈シャツなどにのせることで、大胆な柄を余すことなく引き立てている。

また、ショート丈のジャケットやステンカラーコートは、着物を彷彿とさせるスリーブが特徴的。花札をイメージし、平面的に図案化された花柄をのせた。同じく、植物を様式化する例では、家紋のような花のモチーフを連ねたニットも、その繊細な表情が印象的である。

シルエットはオーバーサイズを基調としつつ、レイヤードを意識した丈感やディテールが特徴的だ。ロング丈のシャツ、ネット上や繊細な網目状のプルオーバー、あるいはテーラード調やブルゾン調のベストなどは、丈感や素材感のリズミカルなコントラストを生み出す。また、ギャザーを寄せたワンピースやワイドパンツには大胆なスリットを設け、下に重ねたパンツの色鮮やかさでアクセントを加えている。

色彩は、軽やかで明るい。ブラックやグレー、エクリュ、ブラウンといった落ち着いたカラーを置きつつも、レッドやグリーン、ターコイズ、濃淡さまざまなブルーで華やかに彩りを加える。それら多様な色彩が、網目の繊細な素材に、光沢感のあるファブリックに、あるいは存在感ある総柄などへとさまざまにのせられ、多彩な表情を織りなしている。