バレンシアガ(BALENCIAGA)の21年ウィンターコレクションが発表された。
エッフェル塔からスペイン広場、タージ・マハル、富士山まで。世界各国の観光名所とコレクションピースを纏ったモデルたちの写真を合成したルックブックが発表された今シーズン。カジュアルウェアとフォーマルウェアの伝統を再考して完成させた、リラックスしたフィット感のワードローブが展開された。
まず目を引くのは、1990年代のトラックスーツをイメージさせるスポーティーなコートやパーカー。中綿入りのコートは、ドロップショルダーのなだらかなラインとたっぷりとした分量感が相まって、ドレスのようなエレガントなムードを演出する。
カジュアルウェアの定番・デニムを用いたウェアは、ダメージ加工や裾を切りっぱなしにすることでより一層ラフなルックスに。デニムジャケットとジーンズをドッキングさせたようなワンピースは、濃淡の異なるデニムを用いることでプレイフルな印象に仕上げている。
フォーマルなテーラリングアイテムには、サテンやビスコースギャバジン、リネン、クラッシュドナイロン、コットンなど、自由な発想であらゆる素材を採用。いずれもビッグシルエットが主流で、意図的なシワ加工が施されたセットアップも展開された。
ボリューミーなドレスとコートは、フリルやレース、パフスリーブなどを随所に取り入れたロマンチックなデザインで登場。新作のトートバッグ「The Bistro Basket」と一緒に提案されたフローラルプリントのドレスは、袖口や裾にはもちろん、胸元や肩周りにもフリルをあしらい、ドリーミーな世界観に。
ウエディングドレスから着想を得たというブラックのコートは、バラのパターンや繊細なレースを随所に施し、ゴージャスなルックスに仕上げた。
なお今シーズンはルックブックと並行して、アーティストのKamilya KuspanovaとAnton Bialas、デザイナーのHeejoon Kwakとコラボレーションした「 Feel Good Video」も発表された。ムービーにはバレンシアガのアイテムは一切登場せず、癒やしの音楽と共に美しい自然の風景や動物などが映し出される。リラックスした空気を纏う今季のコレクションピースと呼応するような、心地よい気分になれる作品だ。