サカイ マン(sacai man)は、2021-22年秋冬コレクションを発表した。
今季のサカイ マンは、パンクとヒップホップといった2つのカウンターカルチャーのコードを繋ぎ合わせることで、先入観や既存のルールへのカテゴライズに反抗し、自由なクリエイティビティを表現。ストリートに起源するパンク、ヒップホップカルチャーにオマージュを捧げつつ、服の構造の中にその共通言語を見出した新たなハイブリッドスタイルを打ち出した。ラフなレイヤードスタイルや、オーバーサイジングな仕立て、ラフなディテール、意外性のある生地配置といったデザインに“カウンター”の姿勢が見て取れる。
今季特に注目したいのは、アーティスト・KAWS(カウズ)とのコラボレーションだ。イヴ・サンローランとピート・モンドリアンによる“モンドリアンルック”に見てとれるような、「ウェアラブルアート」という概念を現代的に表現。KAWSのアートワークのカラーパレットを、オリジナルに忠実に衣服へと落とし込んだ。
KAWSの織り成す躍動感とエネルギーに満ちた色彩は、ファーコートやボアブルゾン、ポンチョ、ハーフパンツ、レギンス等に落とし込まれた。また、チェック地にアートワークを重ね、より一層グラフィカルに仕上げたシャツジャケットも登場する。
ポケットを複数配した立体的なシルエットのマウンテンパーカは、身頃の途中で断ち切り仕様にカット。マルチカラーの身頃にブラックのパーツを大胆にドッキングさせることで、フォルムにも動きをつけると同時に、コントラストによって賑やかな色彩を際立たせている。
さらに、色違いとして、カーキやベージュのカモフラージュパターンも展開。フライトジャケットやカーゴパンツ、ボリューム感のあるパフィージャケットなどにあしらわれ、無骨なミリタリーテイストと、伸びやかなアートワークを調和させた。
大胆な仕立てや、オーバーシルエットも特徴的なポイントだ。流れるようなAラインシルエットのウールコートには、アクティブな同色のキルティング地をダイナミックにあしらい、アクティブさをプラス。見る角度によって表情の異なる佇まいに仕上げた。オーバーシルエットのダウンジャケットには極端に大きなポケットをあしらうことで、さらにボリューム感のある仕上がりとなっている。
また、衣服の内側と外側の二面性を強調したウェアも印象的。チェスターコートにはスポーティーなナイロンメッシュジャケットをドッキングさせ、サイドに配した大きな切り込みによって内側のパーツを覗かせることで切り替えたウェアの対照的な雰囲気を強調した。裏仕立てのパーツを組み合わせて構築的に仕上げたコートは、裏と表のデザインをあえて交錯させることで、より複雑で遊びのあるデザインに仕上げている。
尚、KAWS、ナイキ(NIKE)とのトリプルコラボレーションアイテムとしてスニーカー「Nike x sacai - sacai x KAWS Blazer low」も披露された。その他、コレクションにはジョージコックス(GEORGE COX)とのコラボレーションシューズも登場している。