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ディオール「バー」ジャケットの歴史、ニュールック誕生から最新作まで進化するメゾンのアイコン

ディオール(DIOR)の「バー」ジャケットは、1947年2月12日の誕生以来長らく、メゾンの、ひいてはファッション界のエレガンスを体現してきたアイコン的アイテムだ。現在では、マリア・グラツィア・キウリがシーズンごとのテーマになぞらえて「バー」ジャケットを展開している。

ディオールの“ニュールック”を象徴する「バー」ジャケット

Bar suit, Haute Couture Spring-Summer 1947 collection by Christian Dior. 
© Associations Willy Maywald  ADAGP, 2020
Bar suit, Haute Couture Spring-Summer 1947 collection by Christian Dior.
© Associations Willy Maywald ADAGP, 2020

マルセル・ブサックの支援を受け、40歳でようやく自身のブランドを立ち上げたクリスチャン・ディオール。第2次世界終戦後間もない1947年2月12日、当時の女性たちが渇望した贅沢でエレガントなファッションを体現したのが、クリスチャン・ディオール初のオートクチュールコレクション提案した“ニュールック”だった。

Bar suit, Haute Couture Spring-Summer 1947 collection by Christian Dior. 
© Photo Pat English
Bar suit, Haute Couture Spring-Summer 1947 collection by Christian Dior.
© Photo Pat English

コレクション発表の衝撃は“ニュールック革命”とも呼ばれるほどで、「バー」ジャケットは、そのスタイルに欠かせない存在とされた。キュッと引き締まったウエスト、なだらかなショルダー、ヒップを強調するペプラム、そして大きく開いた首元。女性の美しさを強調する要素を併せ持ち、以来、変わらずメゾンのアイコンとして知られている。

約150時間を経てアトリエで完成

「バー」ジャケットは、まるで女性の身体の形をそのまま再現するかのような滑らかなシルエットが特徴。それは約150時間以上の時をかけてアトリエの職人たちが作りあげていく。ディオールが公開している動画では、デザイン画の作成から、パターン作成、裁断、仮縫い、縫製、ボタン付けの様子までを映し出している。

また、「バー」ジャケットが初披露された、ファーストコレクションの舞台裏を捉えた貴重なドキュメンタリー映像もディオールの公式YouTubeチャンネルにて公開されている。

マリア・グラツィア・キウリ手掛ける最新の「バー」ジャケット

ディオール(DIOR) バー|写真1

「バー」ジャケットは、エレガントなシルエットを保ったまま、素材や装飾を変え、歴代のデザイナーによって再解釈され続け、進化した形で展開されている。

最新作は“カナージュ”のキルティング

マクロカナージュ「バー」ジャケット 440,000円
マクロカナージュ「バー」ジャケット 440,000円

2021-22年秋冬コレクションで発表した「バー」ジャケットは、メゾンのアイコンモチーフのひとつである“カナージュ”をキルティングで施したデザイン。エレガントなシルエットはそのままに、キルティング特有のニュアンスでカジュアルなムードを程よく引き出した。

マリア・グラツィア・キウリが手掛けてきた「バー」ジャケット

現在、ディオールのウィメンズ アーティスティック ディレクターを務めるマリア・グラツィア・キウリも、彼女なりの解釈によってあらゆるデザインの「バー」ジャケットを提案している。ディオール初の女性アーティスティック ディレクターとなったマリア・グラツィアの手掛ける「バー」ジャケットは、メゾンかつてない儚さと優しさ、大胆さと遊び心を兼ね備えた、枠にとらわれないデザインが魅力だ。

2020年リゾートコレクション

2020年リゾートコレクションより
2020年リゾートコレクションより

ムッシュ ディオールの最初の後継者イヴ・サンローランが愛した場所、マラケシュで発表した2020年リゾートコレクションでは、ジャングルを想起させるジャカード織のテキスタイルを用いて、パワフルに表現。エネルギッシュな自然のパワーを纏うことで、エレガントなだけではない「バー」ジャケットを完成させた。

2020年春夏ウィメンズコレクション

ディオール 2020年春夏ウィメンズコレクションより
ディオール 2020年春夏ウィメンズコレクションより

Photos(40枚)

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