ワイズ ピンク(Y's Pink)の、2018-19年秋冬コレクションを紹介。
今シーズンは、カルチャーや思想に根付いたオーセンティックな“スタイル”からインスピレーションを得た。80年代や90年代のエッセンス、ユースカルチャー、イタリアンモード、ブリティッシュ・インヴェイジョン、ウエストコースト・ヒップホップ。ワイズ ピンクのフィルターを通すことで、全く質の異なるカルチャーに由来する表現同士が繋がりを持ち、新しくユニークな“スタイル”が形成されていく。
フューシャピンク、パープル、エメラルドなどヴィヴィッドな色彩のグラフィカルプリントのロングブラウスは、色の掠れや陰影がアーティスティックな雰囲気を演出する。組み合わせたボルドーのロングスカートの下には、ブラウスと同柄のパンツをレイヤード。クリエイティブな感性を漂わせる。
一方、カーキやブラウンといった深みのある色彩も散見された。カーキのウールコートは、幅の広いベルトでウエストマーク。ミニマルな作りのバックルが、ミリタリーテイストの中に知的な印象を添える。分量感のあるブラウンのブラウスには、ゴールドのファスナーやスナップ、左右に施されたタックなど、無骨なディテールをプラス。生地のシックな光沢感とドレープが上品な、カーキのスカートをボトムスに選ぶことで、フェミニンとマスキュリンが共存した独自のエレガンスを提示する。
メンズライクな格子柄のロングジャケットは、ひざ下丈に設定したセンタープレスのパンツと合わせることで活発な印象に。布地の端にマークされている、通常は使用しないネームをあえてパンツの裾に残し、遊び心を見せる。ジャケットの持つ端正なオーラとパンツのカジュアルな抜け感、そして繊細な装飾が施されたレザーポシェットのクラフト感がすべて相まって、絶妙なバランスのスタイリングを形成する。
つややかなフェイクレザーのコートは、過剰なまでに大きいポケットがデザインのアクセント。コートは一見するとハードに思えるが、素材の放つ輝きや、オーバーサイズのシルエットによって、フレッシュで無垢なムードを漂わせる。一方、ウールのジャケットに合わせたフェイクレザーベストは強い表情。温かみのあるウールとコントラストを描きながら存在感を放っている。