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サポートサーフェス(support surface)は、メルセデス・ベンツファッション・ウィーク東京4日目の2016年3月17日(木)に、2016-17年秋冬コレクションを発表した。
「本質の追求の為、原点を見つめ直す。」シーズンを重ねるごとに、自分のクリエーションの根底に眠るものと真摯に向き合ってきた、研壁宣男。洋服をデザインすると、ついついデザインを足してしまいがち。“過剰”ともいえるデザインは、時代やユーザーのニーズがあるのだろうか…。たくさんの疑問と衝突を経ていきついたのは“ほどよい”くらいの装飾性である。
コレクションピースに宿るのは、そぎ落とされた美しさ。落ち感とハリを兼ね備えたベロア調の生地や、プリーツ加工も施せるフェイクレザー、毛羽立った風合いのモールニット、切り絵のようなジャカード。研壁がこだわりぬいたファブリックを贅沢に使用して、一つの布地から豊かな表情をつくりだす。
ときに、ギャザーやタックの力を借りて優雅に、ときに、共布を重ねて立体的に。スリットを配してすっきりとさせたと思えば、アシンメトリーにカッティングして、エキセントリックさを注入させて。引き出しの中からは、たくさんのアイデアがあふれてきて、装いたちはふくらみ、広がり、たゆみ、多面的に輝く。
シルエットは、細く長くを基調に。デコレーションは、フリンジや素材切り替えなど。一方で、フォルムでの遊びはバリエーション豊かで、ブラウスは丸みのある袖をあしらい、ショートポンチョ風にアレンジ。ドレスは、華奢な仕立てのバックスタイルに反して、前方にはふくらみをもたせた。
「衣裳ではなく日常着であること」研壁が求め続けているのは、ここにある。あったかい、軽い。そういった人間だから感じられる感覚を意識したウェアは、とても美しく洗練されている。
