ロエベ(LOEWE)の2026年春夏ウィメンズコレクションが、2025年10月3日(金)、フランス・パリで発表された。
ジョナサン・アンダーソンの後を継ぐ新クリエイティブディレクター、ジャック・マッコロー & ラザロ・ヘルナンデスにとって初のプロジェクトとなる今季のショー。まず注目したいのが、実験的かつ洗練されたシルエットだ。
ロエベを象徴するレザーは、ウエストから裾にかけてふっくらと丸みを帯びたミニドレスやノーカラージャケットへと昇華。ハリと光沢を湛えた独自の質感が、プラスチックでできたおもちゃの人形のような、構築的なフォルムを生み出している。シャープなテーラリングもまた、ウエストをダイナミックにシェイプし、肉厚なファブリックを用いて彫刻的な形状をキープした。
ジオメトリックな裁断やアシンメトリーなラインにより、構築的でありながら動きを出したピースも。折り紙のように複数枚の布を重ねてボディに纏ったドレスは歩みとともにレイヤーが揺れ、長方形の布地をぐるりと巻いて仕立てたミニスカートは、流れるように布を垂らして風に靡かせている。
全体を通してアイテムは、ミニマルかつ実用的なものが中心。華美な装飾を除いたショートブルゾンやゆったりとしたVネックのニット、ポロシャツなど、都会的なリアルクローズが提案されている。ニューヨークを拠点に活動してきたジャック&ラザロならではのアプローチとして、フードを3重に重ねたアノラックやナイロンジャケットといった、アメリカンスポーツウェア的なピースも差し込まれた。
ミニマルなピースにエッジを加えるのが、起毛感のあるテキスタイルだ。チューブトップのドレスには、ほのかに光沢を纏ったパイル地を採用し、お風呂上がりにバスタオルを巻いてそのまま出てきたかのような抜け感を演出。ステンカラーコートやカラーデニムには毛羽だった加工を施し、テクスチャーの遊びを加えている。カラーにはオレンジ、イエロー、ブルー、グリーンといった鮮烈かつ大胆なパレットが用いられ、視覚・触覚ともに楽しさをプラスした。