ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)の2026年春夏コレクションが、2025年9月30日(水)にフランス・パリにて発表された。テーマは「波長」。
波の音とともに幕を開けた今季のドリス ヴァン ノッテン。夕日の沈む浜辺や、自由に波に乗るサーファー、ウェットスーツの優雅なシルエットから着想を得て、気楽でくつろぎに満ちたムードのコレクションを披露した。
今季のテーマを最もストレートに表現しているのが、ビーチウェアの要素を落とし込んだルックだ。細身のバミューダパンツはスイムウェアを想起させ、丸みを帯びたラグランスリーブのトップスはウエットスーツのフォルムと重なる。ストライプ柄のゆったりとしたニットローブは、海辺でのくつろぎ時間に欠かせないビーチガウンを思わせる。
全体を通して提案されたラッフルやフリル、ティアードといったディテールは、寄せては返す波を表現しているかのよう。後ろの丈を長く伸ばしたテールカットのシアードレスやスカートは、モデルの歩みに合わせて空気を含み、ひらりひらりと舞う。儚げな余韻を残すその布の動きは、砂に淡い記憶を刻む波の戯れと通ずる。
ショーの後半にかけて色彩は広がり、大胆な柄使いが目立つように。ハリのあるトップスやコートには、幾何学的な線や円、曲線などのグラフィックを重ね合わせ、エネルギッシュな遊び心を演出。流れるようなシアースカートやケープドレスには、水の繊細な波紋をイメージした渦を描いた。色と柄、そしてハードな素材と柔らかな素材とが自由にミックスされ、楽し気なリズムをもたらしている。
アクセサリーからは、浜辺で拾った貝殻のように、その場にあったものを集めたようなジュエルのネックレスが登場。フラットなスニーカーが気楽なムードを高めるとともに、柔らかなモヘアで仕立てた大きなトートバッグがそのくつろいだ雰囲気を一層高める。