フレデリック・カッセル(Frédéric Cassel)は、フランス発の高級パティスリー(ケーキ屋さん)。看板メニューは、世界一のミルフィーユとも称された「ミルフイユ・ヴァニーユ」だ。濃厚なクリームとサクサクパイの組み合わせが、他とは違うズバ抜けた美味しさで、「並んでも買いたい」 と思わせる魅力がある。
パティシエのフレデリック・カッセルは、パティシエのエリート集団「ルレ・デセール」に30歳という若さで加入し、名誉会長まで昇りつめた実力派。フォション(FAUCHON)で修行し、ピエール・エルメとも親交があるなど、フランス菓子の世界をリードする存在だ。
フレデリック・カッセルの常設店は、国内2店舗のみ。東京・銀座三越と、スイーツ工房も兼ね備えた千歳船橋の経堂アトリエ店だ。どちらもケーキ(プチガトー)、焼菓子、ショコラ、マカロンなどを販売。経堂アトリエ店は、月曜・火曜日が定休日で、月によって営業日が異なるので、訪れる際は営業日のチェックを忘れずに。
■ミルフイユ・ヴァニーユ
人気No.1は、フレデリック・カッセルのスペシャリテ「ミルフイユ・ヴァニーユ」。“世界最高峰”“最もおいしいミルフィーユ”と専門誌で取り上げられたこともある、プロが認める逸品だ。
他店との圧倒的な違いは口どけ。一般的に上手にカットするのが難しいと言われるミルフィーユだが、フレデリック・カッセルのものは、ナイフがスッと入って、パイもクリームもすくいやすい。口に入れた瞬間、パイとクリームがやわらかくとろけて、“奇跡の口どけ”とも言われる不思議な一体感を楽しめる。
パイ生地は、仕込みに3日間をかけるというこだわりぶり。表面に砂糖を付けてキャラメリゼをすることで「サクッ、パリッ、ホロッ」と砕けるユニークな食感を叶えている。できたてはサクサク香ばしく、クリームと馴染むと一味違ったおいしさが待っているのも嬉しい。
クリームには、タヒチバニラを惜しみなく使用し、ホイップバターと生クリームを合わせた。甘さよりバニラの香りが引き立ち、“食べても食べてもまだ食べられる”軽やかな味わいだ。
「ミルフイユ・ヴァニーユ」をおいしく食べるには?
上手に食べるのが難しいミルフィーユ。ケーキが倒れて少し残念な気持ちになる前に、食べ方のコツを!ポイントはシンプル、「最初に横にしてしまうこと」だ。ナイフが入りやすくなり、パイとクリームを同時に口元へ。ポロポロとこぼれる心配もなくなるので、人前で味わうときは実践してみて。
■オペラ
コーヒーとチョコのハーモニーが楽しめる「オペラ」は、ちょっぴりほろ苦い大人のためのケーキ。フレデリック・カッセルの「オペラ」は、コーヒーを染み込ませたケーキ生地(ビスキュイ)とバタークリーム、チョコガナッシュを幾重にも重ねているのに、層が整っていて、断面まで美しい。
トップにのせた薄型ショコラのパリッとした食感がアクセントになり、二口、三口…と食べ進めても新鮮なときめきを与えてくれる。ケーキと並んで人気のある「マカロン」がデコレーションされており、1つで2つの味が楽しめる“お得感”も、スイーツ好きにはたまらない。