ヴァレンティノ(VALENTINO)の2026年春ウィメンズコレクションが発表された。
デジタルプレゼンテーションスタイルで発表された2026年春コレクションは、ピンクサテンに包まれたドリーミーなベッドが舞台。モデルたちは新聞を読んだり、眠りについたりと思い思いにくつろいでおり、華麗でラグジュアリーなヴァレンティノの洋服がより親密に感じられる。
今季も、1970年代を思わせるレトロスタイルを中心に、アレッサンドロ・ミケーレらしいロマンティックなピースが勢ぞろい。装飾的なヴィンテージのモチーフの数々が、ヴァレンティノの卓越した職人技で仕立てられている。
キーアイテムとなるのは、ほのかに肌を透かすランジェリーライクなシアードレス。リボンの結び目のデザインを取り入れたオフショルダードレスをはじめ、儚げな総レースのミディドレス、フェザーやビジューで装飾したロングドレスなどが登場し、フェミニンなムードをもたらした。風のように軽やかに流れるオーガンザやサテン素材は、コレクション全体を柔らかく、夢見心地に包み込んでいく。
そんな中、コレクションを引き締めるように、グラフィカルな台形シルエットのピースが差し込まれていたのも印象的だ。ハートの窓からリボンが覗くガーリーなミニドレスや、ボクシーなフォルムのチェック柄ジャケット&スカートなどが、しなやかな布地とのコントラストを演出。いずれもモノトーンカラーを採用し、そのソリッドな佇まいを際立たせている。
リボンやビーズ装飾、レース、刺繍、羽の縁取りといったミケーレらしい豊かなディテールにも注目したい。とりわけ、宝石を贅沢に散りばめたようなゴールドのドレスは、その大胆なまばゆさで目を惹いた。妖精の羽のようにきらめくケープ、フラワーモチーフのシアータイツ、さらには足首に巻いたタッセルで、とことんデコラティブなルックに仕上げている。
クラシカルなテーラードジャケットは、丈を短く設定し、ウエストを絞ることで女性らしさの際立つ小柄なデザインにアレンジ。合わせる小物には、マニッシュな雰囲気のキャスケットやサングラスと、センシュアルなレースタイツやヒールをミックスし、メンズライクとレディライクの絶妙な駆け引きを楽しんでいる。
コレクションに彩りを添えるシューズ類には、大ぶりのリボンを配したサテンのミュールや、足首にタッセルを巻き付けるヒールサンダル、ヴィンテージ風花柄プリントのエスパドリーユ、ビジュー付きの薔薇モチーフを配したハイヒールなど、全体のテーマとマッチする華やかなラインナップが勢ぞろい。またバッグでは、シェブロン柄のトートバッグやアニマル柄のミニショルダーなどが登場している。