ワンクッション:落ち着きのある印象で、ビジネスシーンからフォーマルシーンまで幅広く対応できるのがワンクッション。名前の通り、靴を履いた足の甲に折り返しがひとつある丈のこと。
ハーフクッション裾が靴を履いた足の甲にのる程度の長さ。シルエットとのバランスがとりやすく、ワンクッションと同様に様々なシーンに対応できる丈感で、スタイリッシュに見せてくれる。
ノークッション:パンツが靴にあたらない長さ。脚長効果も期待できるスタイリッシュな印象で、太めよりも細めのパンツの方がバランスよく着こなしやすい。カジュアルな雰囲気のため、お堅いシーンは避けるのが無難。
★おしゃれに差をつけるワンポイントアドバイス
スーツ初心者でもバランスがとりやすいハーフクッションは、着用シーンを選ばないので素材やデザイン違いで何本か持っておくのがベスト。ゆとりある履き心地が好きなら、同じく汎用性の高いワンクッションがおすすめだが、スリムなシルエットのパンツの場合、アンバランスに見えてしまうこともあるので要注意だ。おしゃれ上級者は、休日のラフなスタイルとして靴下(足首)を見せる着こなしにも挑戦を。
スーツをおしゃれに着こなすためには“シンプル”を意識することが不可欠。初心者なら、スーツ(ジャケット&パンツ):シャツ:小物=7:2:1のカラー比率を意識し、小物は必ず色味を2色までにおさめるといい。また、顔の真下にする胸元のVゾーンの清潔感を大切にすると、大人の上品な着こなしが叶う。
■シャツのサイズ選び
スーツと同じくシャツも、サイズがあっていないとだらしなく見える要因。サイズ表記は、よくあるSMLなどの表記に加えて、裄丈と首周りの長さで表記されることが多い。試着せずに買う場合でも、裄丈と首周りさえ事前に知っておけば失敗を防げる。
裄丈:首の後ろ中心から肩先の最も高い部分を経由し、袖口(親指側の手のくるぶし)までを測定。実寸+2~3cm程度が目安。袖の長さはジャケットから1~1.5cmのぞく程度が目安。
首周り:前はのどぼとけのすぐ下、後ろは首の付け根のすぐ上に合わせてやわらかいメジャーで測定。ジャストサイズなら実寸+2cm、ゆったりサイズなら実寸+3cmが適正。おおよそ指1本分が目安だ。
■シャツ襟のデザイン
顔のすぐ下にあることから、デザインのチョイスが重要になる襟部分。デザインはもとより、シワやヨレがないかも気にしておきたい。
レギュラーカラー:真面目で誠実なイメージがあり、ビジネスからフォーマルまで対応可能。襟の開きが75~90度のもの。
ワイドカラー:襟の開きがレギュラーカラーよりも広く、100~140度程度。首回りがすっきり見える。クラシックな装い、あるいは柔らかい印象にしたい時に最適。
ボタンダウン:先端がボタンによって留められている襟。襟元が崩れにくいため、ビジネスカジュアルや夏場のクールビズスタイルにも使いやすい。
カッタウェイ:開きが190度程度ある小さめの襟。ノーネクタイにおすすめ。カジュアルスタイルやクールビズに適している。
■シャツのカラー
基本として持っておきたいのは白。また、サックスブルー(淡い青)も汎用性の高いカラーで、ネイビーやグレーのスーツと相性がいい。また、無地以外に持つなら、まずはストライプ柄がおすすめ。サックスブルーに白のストライプ、白にサックスブルーやグレーのストライプのシャツは、どんな色のスーツにも合わせやすい。
休日にも着やすいカジュアルスーツのインナー選びにTシャツとニットを持っておくと便利。また、汎用性が高くおしゃれに見えるジャケパンスタイルを楽しむなら、チノパンを持っておくといい。
■Tシャツ選びのポイント
Tシャツは、白または黒、とりわけ白の無地がマストハブ。ダボっとしたオーバーサイズではなく、ジャストサイズを着こなすことで上品さが生まれる。ある程度厚みがあり、白なら乳首が透けないものを選ぶのもポイントだ。
■ニット選びのポイント
冬のノーネクタイデー、あるいはデイリーユースなジャケットスタイルには、首の開きが丸いシルエットのクルーネックがおすすめ。毛玉は上品さダウンに繋がるので、毛玉になりにくい上質なニットが理想。また、細かい編み目で、凹凸や表情がない無地のものなら着ぶくれもなく、すっきりと着られる。寒い日、ニットの下にシャツを重ね着して襟を少し見せれば、よりきちんと感を出すこともできる。
■チノパン選びのポイント
チノパンとは、太めの糸で織られた厚手の綾織りの生地「チノ・クロス」を使用したパンツのこと。もともと軍服にも使われていたほどの高い耐久性が魅力だ。ジャケットと合わせるなら、ウール素材のベージュ、グレー、ブラックといったカラーがおすすめ。
★おしゃれに差をつけるワンポイントアドバイス
Tシャツ、ニット、チノパンなどでスーツスタイルをカジュアルダウンする場合、合わせるジャケットは、スーツ用によく見られる光沢やハリがある素材感(梳毛ウールなど)は避けるのが無難。ウール、またはウールの混紡など表情が出やすいナチュラル素材を選択するといい。
Tシャツやニットは、空き具合が詰まり気味のものならよりきちんと感が増す。こなれ感を出したいなら、モックネック(ハイネックとクルーネックの中間ぐらい)や、ボーダー柄を選んでもOK。また上級者なら、インナーとジャケットを同系色で合わせるツートーンのコーディネートで、おしゃれかつ上品な着こなしを叶えて。
アクセントにもなりうるネクタイだが、基本的には“シンプル”を忘れずに。ネイビー、チャコールグレー、ワインレッドなどのダークな色味で、柄はストライプや細かいドット柄などが定番として持っておきたいデザインだ。また、小さな模様が規則的に配された小紋柄や、草花を曲線的な模様で描くペイズリー柄なども、使いやすいネクタイのひとつ。
★おしゃれに差をつけるワンポイントアドバイス
ネクタイの色は、その時々のシーンごとに使い分けるのがおすすめ。初対面の際や重要な商談には、誠実さをもたらす鉄板色のネイビーやエネルギッシュなボルドー、会食や懇親の場では、親しみやすい印象を演出してくれるイエローや淡いピンク系、そして就活シーンにはフレッシュなブルーを。年齢を重ねた40代~には落ち着きあるブラウンも似合いやすい。
最後に重要なのが足元を彩る革靴。ビジネスシーンはもちろんのこと、レストランでの食事などフォーマルなデートシーンでの革靴は、女性からも好印象だ。ただし、汚れた靴は印象ダウンになってしまうので、靴磨き用のシューケアセットを持っておくことも忘れずに。
■主な革靴の種類
フォーマルシーンでは靴紐のあるデザインが基本で、主につま先のデザインによって格式が変わる。シーンによって使い分けられれば、スーツの着こなし上級者だ。ちなみに、“羽根”と呼ばれる靴紐を通す部分のデザインが「内羽根」か、「外羽根」かも重要。羽根が甲の中いり込んでいる「内羽根」はよりエレガントで格式高く、フォーマルなシーンに適している。
プレーントゥ:つま先部分に飾りがない。シンプルが故に汎用性が高い。
ストレートチップ(キャップトゥ):革靴の中では最も格式の高いデザインで、様々なシーンに対応可能。つま先部に横直線のステッチが施されている。
Uチップ:つま先部にU字型のステッチが施されている。プレーントゥと同じくオールマイティではあるものの、カジュアルな印象が強い。
ウイングチップ:W字型の切り替えし、あるいは穴あきの装飾が施されている。エレガントな印象。
モンク(モンクストラップ):甲部分にバックル付きストラップのある革靴。ストラップが2本または1本のデザインがあり、金属を用いているので、足元に高級感をもたらしてくれる。
ローファー:靴紐がないスリッポンタイプ。主に、カジュアルスタイルに馴染みやすいコインローファーと、程よくエレガントなタッセルローファーがある。
■オフの日に履きたいスニーカー
オフの日やカジュアルなジャケパンスタイルを楽しみたい日なら、足元にスニーカーを合わせるのもアリ。特におすすめは、ニュートラルカラーやベーシックカラーを用いた無地のスニーカーだ。レザー素材であれば上品な大人のスニーカースタイルも叶えられる。
★おしゃれに差をつけるワンポイントアドバイス
数ある種類の中でも、持っていて間違いないのがブラックの内羽根ストレートチップ。タキシードからジャケパンスタイルまで幅広く適応する。また、素材は基本的に艶感のあるレザーがおすすめだが、おしゃれ感を出したい時にブラウンスエードなどもおすすめ。シボ感のある革なら、カジュアルなシーンで履きこなしやすい。