ビューティフルピープル(beautiful people)の2025-26年秋冬コレクションを紹介。テーマは、「HOUSE CODE」。

20通りのデザイン手法

今季のビューティフルピープルは、デザイナー・熊切秀典の自由な発想から生まれるデザイン手法を再定義。20通りにもおよぶ、独自のパターンメイキングとデザイン手法を「ハウス コード」と総称し、1つ1つの「ハウス コード」を基に、衣服の構造を多層化し、新たな息吹を吹き込むようなコレクションを展開する。

新たなレイヤードスタイル

前後で4通りの着方を楽しめるアイコニックなパターン手法は、「フリップ(FLIP)」とネーミング。色違いのノースリーブトップスと長袖トップスを2枚重ね、袖山で中綴じをすることで、見頃を1枚をめくると前後で同色になる仕様だ。レイヤードされた前身頃と後ろ身頃にはもちろん、両者の中間にも身体を通して着用することができる。

服のレイヤーをめくると、カラーだけでなく、生地やシルエットまで変化する「フリップ」を応用したキャミソールドレスや、ノースリーブニットの表地とカーディガンの裏地を繋いだ「ニューコネクト(NEW CONNECT)」のニットカーディガンなども提案。衣服の重ね着を意味する“レイヤード”を、衣服自体を重ねた、新たな“レイヤードスタイル”へと昇華させた。

上も下もない解放的な世界

前後が決まっていない世界では、上も下も関係ない。たとえばレザージャケットは、上から羽織るとブルゾン、下から着るとケープへと様変わりする。ゆるやかなマーメイドシルエットのスカートも、上下をひっくり返すと巻きスカートへと変容し、「ダブルエンド(DOUBLE-END)」のパターンを体現している。

多層化により広がる、衣服の可能性

「ダブルエンド」をさらに発展させた新技法「マルチレイヤリング(MULTI LAYERING)」は、アウターを多層化させているのが特徴的。ハリ感のあるモッズコートに、取り外し可能なフィッシャーマンベストをドッキング。前後でパーツが分かれるベストをそれぞれコートに取り付けたり、インナーコートとして仕込んだり、シーンに応じた6通りの着用を可能にした。衣服に多彩なシルエットと機能性を持たせる、まさに今季の真骨頂ともいえるルックだろう。