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“ファイバーアートの先駆者”小林正和の回顧展が京都国立近代美術館で、“重力と張力”が織りなす糸の造形

京都国立近代美術館では、展覧会「開館60周年記念 小林正和とその時代—ファイバーアート、その向こうへ」を、2024年1月6日(土)から3月10日(日)まで開催する。その後、岡山県立美術館に巡回する。

小林正和、初の回顧展

小林正和 《WIND - 4》 1975年頃 個人蔵
小林正和 《WIND - 4》 1975年頃 個人蔵

1960年以降の欧米では、従来のテキスタイルの概念を超えるような作品が数多く登場した。伝統的な技法をふまえつつも、天然繊維や合成繊維にとどまらず、金属や鉱物といった素材をも用い、平面から立体、そして空間へと展開していった作品は、「ファイバーアート」と呼ばれている。この潮流は、とりわけ1962〜95年にかけて、スイス・ローザンヌで開催された「国際タペストリー・ビエンナーレ」を中心に世界へ広がることになった。

小林正和 《KAZAOTO - 87》 1987年 国立国際美術館蔵
小林正和 《KAZAOTO - 87》 1987年 国立国際美術館蔵

日本でファイバーアートの先駆的な役割を果たしたのが、小林正和(こばやし まさかず)である。展覧会「開館60周年記念 小林正和とその時代─ファイバーアート、その向こうへ」は、初となる小林の回顧展。小林の代表作など約80点に、同時代の作家の作品を加えた約100点を通して、1970〜90年代の京都におけるファイバーアートの動向、小林の活動の意義、そして国際的な位置付けに光をあててゆく。

小林正和 《Clear the Land》 1978年 京都国立近代美術館蔵
小林正和 《Clear the Land》 1978年 京都国立近代美術館蔵

1944年京都に生まれた小林は、京都市立美術大学(現・京都市立芸術大学)で漆工を学ぶも、京都のファブリックメーカー「川島織物」でファブリック・デザインに従事している。こうしたなかで小林は、糸を使った立体造形作品を発表。73年、第6回国際タペストリー・ビエンナーレへの入選を皮切りに国内外で活躍し、国際的に高く評価されるようになった。

小林正和 《MIZUOTO - 99》 1999年頃 個人蔵
小林正和 《MIZUOTO - 99》 1999年頃 個人蔵

小林の作品の特徴が、糸がその重力と張力とともに生みだす造形である。小林は、緩んで自重で垂れさがる糸と、木や金属に張られた糸という、糸の2つの状態を組み合わせることで、自然の音や情景を織りなしていった。糸、人間、空間と密接に結びつくことを志向したその作品は、やがて戸外でのインスタレーションヘと展開してゆくこととなる。

小林正和 《SOUND COLLAGE - 93》 1993年 京都市美術館蔵
小林正和 《SOUND COLLAGE - 93》 1993年 京都市美術館蔵

小林の生誕80年・没後20年を迎える2024年に開催される本展では、第6回国際タペストリー・ビエンナーレに入選し、小林の名前が世界に広く知られるようになった作品《Blow in the Wind》をはじめ、大型インスタレーション作品、これまで公開されてこなかったスケッチブックやドローイング、デザイン作品を一堂に集めて紹介。また、小林と同時代に活動した作家17名の作品もあわせて展示する。

展覧会概要

展覧会「開館60周年記念 小林正和とその時代—ファイバーアート、その向こうへ」
会期:2024年1月6日(土)~3月10日(日)
会場:京都国立近代美術館
住所:京都府京都市左京区岡崎円勝寺町26-1
開館時間:10:00~18:00(金曜日は20:00まで開館)
※入館は閉館30分前まで
休館日:月曜日(1月8日(月・祝)、2月12日(月・振)は開館)、1月9日(火)、2月13日(火)
観覧料:一般 1,200円(1,000円)、大学生 500円(400円)
※( )内は20名以上の団体、金曜日18:00以降の夜間割引料金
※高校生以下・18歳未満、心身障がい者および付添者1名、母子・父子家庭の世帯員は無料(入館時に証明できるものを提示のこと)
※本料金でコレクション展も観覧可
※前売券は、12月1日(金)から1月5日(金)まで販売

■巡回情報
・岡山会場
会期:2024年4月19日(金)~5月26日(日)
会場:岡山県立美術館(岡山県岡山市北区天神町8-48)

【問い合わせ先】
京都国立近代美術館
TEL:075-761-4111(代表)

Photos(8枚)

“ファイバーアートの先駆者”小林正和の回顧展が京都国立近代美術館で、“重力と張力”が織りなす糸の造形|写真1 “ファイバーアートの先駆者”小林正和の回顧展が京都国立近代美術館で、“重力と張力”が織りなす糸の造形|写真2 “ファイバーアートの先駆者”小林正和の回顧展が京都国立近代美術館で、“重力と張力”が織りなす糸の造形|写真3 “ファイバーアートの先駆者”小林正和の回顧展が京都国立近代美術館で、“重力と張力”が織りなす糸の造形|写真4 “ファイバーアートの先駆者”小林正和の回顧展が京都国立近代美術館で、“重力と張力”が織りなす糸の造形|写真5 “ファイバーアートの先駆者”小林正和の回顧展が京都国立近代美術館で、“重力と張力”が織りなす糸の造形|写真6 “ファイバーアートの先駆者”小林正和の回顧展が京都国立近代美術館で、“重力と張力”が織りなす糸の造形|写真7 “ファイバーアートの先駆者”小林正和の回顧展が京都国立近代美術館で、“重力と張力”が織りなす糸の造形|写真8

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