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伊レザーブランド「ドローム」が日本に本格上陸 - デザイナーが語る、革をリアルモードに再構築した服作り

2009年春夏シーズンよりスタートしたイタリアブランド、ドローム(DROMe)が日本に本格上陸する。現在、日本でも既に伊勢丹新宿、トゥモローランドエストネーションインターナショナル ギャラリー ビームスバーニーズ ニューヨークなどで取り扱われている。レザーをミニマルコンテンポラリーに表現する新感覚のブランドだが、ユニークなのは、そのクリエイションだけではない。


パリファッションウィークで披露された、2014春夏コレクションのランウェイショー。

これまでニールバレット、イヴ・サンローラン、グッチなど、様々なメゾンブランドのレザーを一手に引き受け、製作を手がけてきた。レザーを専門に扱う企業として蓄積された知識や経験に裏付けられた高い技術を基盤に、創業者のフェレーロ・ロザーティの娘のマリアンナによって立ち上げられたのが、このブランドだ。

伊レザーブランド「ドローム」が日本に本格上陸 - デザイナーが語る、革をリアルモードに再構築した服作り | 写真 伊レザーブランド「ドローム」が日本に本格上陸 - デザイナーが語る、革をリアルモードに再構築した服作り | 写真
ドローム 2014年春夏コレクションのランウェイショーより

上質な素材と精巧な加工技術から生まれるコレクションは、まるで布帛の様に軽やかな質感と表現力により、これまでのレザーのイメージを覆す。またレザーonレザーという今までにはあまり考えられないコーディネート提案も新鮮だ。

イタリア版ヴォーグや仏ELLEなど海外メディアでは、既に注目され始めているドローム。Le Bon Marché、Rinascente、Harvey Nicholsなど世界中の300を超えるデパートやショップで取り扱われている。特に今季はレザーやファーが持つトゥーマッチなゴージャス感の代わりにトレンドを程よく取り入れた、リアルモードな世界観を表現。ランウェイショーをパリファッションウィーク内で初めて行った。

伊レザーブランド「ドローム」が日本に本格上陸 - デザイナーが語る、革をリアルモードに再構築した服作り | 写真

2014年春夏コレクションでは、ナッパとジャージーのミックスや、レーザーカットやプリントといった加工など、洗練された手法で表現される色彩のコントラストや布帛のように軽やかな表情で、初夏らしいルックが展開されている。

ジオメトリックなAシルエットなどシャープなシルエットでありながら、非常にライトな着心地を実現しているのも、ブランドのテクニックがあってこそ。大柄のストライプのクロップトトップスに台形スカートを合わせたルックは、50’sのスタイルを思わせる。

またスポーティトランスペアレントなムードも合わせ持つ。ロマンティックなラッフルのミニドレス、フラワーモチーフのカットワーク、チェックプリントに更にパンチングを施すなど繊細で柔らかなディテールも特徴だ。

今回、ヘッド・デザイナーを務めるマリアンナ・ロザーティから、ブランドと最新コレクション、日本やアジアのマーケットでの展望について聞くことができた。

伊レザーブランド「ドローム」が日本に本格上陸 - デザイナーが語る、革をリアルモードに再構築した服作り | 写真

ブランドについて簡単に紹介をお願いします。

ドロームは2009年に誕生しました。ブランドを立ち上げたのは、自分たちの持つレザーについての知識を生かした新たなプロジェクトをスタートしたかかったから。私たちの住んでいるトスカーナ州は、革職人を多く擁し、その分野に特化している地域で、ブランドの誕生以前、私たちは革を専門とする企業として、高い評価を受けていました。

そうした一企業からブランドを立ち上げるという私の決断は、当時非常にユニークで新しいものでした。なぜなら、元々レザーは、ライダー達のような男性的な世界において使われていましたし、加工が難しく、堅いイメージがあります。しかし、ドロームのコンセプトは、そのイメージを覆し、革をもっと薄くやわらかくして、カットワークを施し、ほとんど普通の布生地と変わらない手触りを実現することにあります。

ドロームのレザーは非常に軽く、手触りからは革だとわからない。その薄くなめされた革に穴を空けるなど、装飾を施していきます。つまり物質的なマテリアルとしての「革」を、極めて現代的な形に作り変えていくのです。まるで布生地のように。これが私達のコンセプトです。

なぜトスカーナ州なのですか。革作りに適した場所なのでしょうか。

気候条件ではなく、一種の歴史的背景によるものです。この地域は昔から多く靴職人や鞄職人のいた地域なんです。ですから私達も今までは、そうしたところに革そのものを提供するということをしていました。そういう意味でブランドの立ち上げは、ある意味新しいチャレンジです。

日本への本格上陸ということですが、展開についてどのようなビジョンをお持ちですか。

私は日本のお客様にドロームというブランドを、"革"というコンセプトとは切り離して考えて欲しいと思っています。なぜならレザーをこれまでの既成概念で捉えると、重いイメージがあるからです。ですが実際に私たちが扱っている商品には、こうした重々しいイメージはありません。

ですから、アジアでの当面の私達の目標は、こうしたメッセージをもっと伝えていくことです。特に日本ではね。私は個人的に日本が大好きですから。今回で5度目の訪日ですが、東京は何度来ても素晴らしい場所ですね。今は、多くのセレクトショップなどに私達の商品を紹介することができていますし、そこにはとても満足しています。一歩一歩着実にブランドを成長させていけているという実感があります。

今季のコレクションについても教えてくださいますか。

今期のコレクションのインスピレーション源となったのは、イタリア人小説家イタロ・カルヴィーノの小説「見えない都市」です。この本にはたくさんの想像上の街が登場します。それらの町というのは、建築的に言えば、非常にシュールなものです。すべて直線でつくられ、ジオメトリックな街やガラスだけで作られた街など。私は今回そうした街に住む女性をイメージしてコレクション制作活動をしました。

光にあたってきらきら輝く感じを出すために取り入れたのは、白、ショッキングピンクなどのはっきりとした明るい色使い。そこにジオメトリックやチェックなどの柄を、そんな街の建物をイメージしながら取り入れました。 私は、コレクションの制作にあたっては、色選びに非常にこだわります。なぜな らそこには物語があるし、つねに新鮮な新しさがあるからです。ですから毎シーズン違うインパクトを出せるように心がけています。

コレクションから、ミニマルでコンテンポラリーな印象を受けますね。

今回の春夏シーズンはシルエットにもこだわりがあります。シンプルでミニマルなスタイルにしました。ニューヨーカーのようなメトロポリタンな女性のイメージです。それからもちろんテクスチャーも。革なのにスケ感のあるような涼しげな雰囲気かつ、カジュアルシックなものを作りたかったんです。それから小物もサンダルをメインに合わせています。なぜなら、インスピレーション源は、朝も夜も街中を歩き回る活発な女性ですからね。 とにかく毎シーズン新しいコンセプトを打ち出し、それを発展させていくというのが私のやり方です。

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