2012年10月14日(日)、フェノメノン(PHENOMENON)が2013年春夏コレクションを発表した。デザイナーのオオスミタケシは、大好きなヒップホップなどダンスミュージックが流れる中でこのコレクションを制作した。
ハードで繊細な音楽の世界は、暗闇の中で咲き乱れる花のような妖艶な美しさにスポーティーな感覚をミックスして表現。フラワープリントには様々な色彩を使用しながらも、絶妙なトーンとリアルな描写でシックな表情に仕上げている。シャツや短めのショートパンツ、ジャケットのシルエットは、テーラードがベースのクリーンなラインで構成。クラッチバッグやタッセルローファーなどでスタイリングもエレガントにまとめている。
スポーティーなエッセンスは、メッシュ素材のTシャツやブルゾンで取り入れられたが、ただスポーティーなだけではない。シックな色づかいやラメのかすかなきらめき、上品な光を含んだ艶やかな素材感が洗練された雰囲気を印象づける。
夏らしい七色のタイダイのグラフィックは、ベージュのコートやメッシュのシャツなどに南国のムードが加わって、ユニークなコントラストが小気味よい。他にも、青と白の水玉に、迷彩柄、エンブレムの柄や、ダンディーなペイズリー柄のサテンなど、主張あるモチーフを大胆かつ巧みに組み合わせながら、独特のバランスで新しいスタイルに挑戦している。ひとつの枠におさまることのない、東京ファッションの可能性を感じさせるラインナップだ。
ランウェイには大きなDJセットが設置され、東京を代表するDJユニット「DEXPISTOLS」がライブ出演。これは、洋服と音楽の共存をよりリアルに体感してほしいというオオスミの思いから。ファッションと音楽というブランドのスピリットそのものが黒のシンプルなランウェイの上で、強力なタッグを組んで協演を果たした。