ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)は、ロンドン・メンズ・ファッションウィーク中の2017年1月9日(月)に、2017-18年秋冬コレクションを発表した。
「ECOTRICITY」と名付けられた今季、ヴィヴィアンがファッションを通じて投げかけたのは「地球に良いことは経済にも良い、地球に悪いことは経済にも悪い」というメッセージ。登場人物は、愛情深い両親に大切に育てられた若い女性と、人生のチャンスに恵まれているはずの男性。ヴィヴィアン・ウエストウッドを愛する彼らは、互いの服を交換しながらユニセックスでファッションを楽しんでいる。
2人の橋渡しとなるのは、ジャケット×パンツのスーツルック。ボックス型のシルエット、大きく突き出たショルダーライン、どこか懐かしさを感じさせるディテールは、ヴィヴィアン・ウエストウッドが歩んできた歴代の深さを感じさせる。
着こなしはクラシックから離して自由奔放に。パンツが長ければカットオフ、ジャケットがなければマントを羽織って、トラウザーがなければスカートで代用だ。そんな声が聞こえてきそうなほど奇想天外な発想で洋服たちはコーディネートされている。ファッションを長くそして豊かに楽しむため、バイカラーのブーツ・ドット柄のソックスといったパンチのある小物も活躍させている。
洋服そのものも規定から離れて大胆に遊ばせる。エコの概念を想起させるような、継ぎはぎしたようなパッチワーク、別布を当てて仕立てたフレアなフォルム。ダブルのジャケットも前身頃をジグザグにカットオフして、ユニークな形へと進化させた。
ショーの後半は、モデルたちにドレスを纏わせた。オブジェと一緒に人面を並べたプリント、包装紙のようなメタルカラー、バレリーナのようなソフトなチュールで彩りを添えて。これも男女問わずジェンダーレスに合わせて、女性が着るものというドレスの固定概念を強く破っている。