パリファッションウィークで発表されたNina Ricci(ニナリッチ)の2012年春夏コレクション。豊かな素材のバリエーションや色使い、そして美しいフラワープリントは、クチュールメゾンであるニナ リッチのアーカイブからインスパイアされたもの。
カラーパレットはホワイトやネイビーなど落ち着いた色合いからスタートし、ショーが進むにつれライラック、ピンク、レッドなど豊かな色彩が花開く。生地には、シルク、プリントジャカード、ラフィアツイード、ストレッチサテン、それらにラメ糸やレースなど様々な素材を使用。ブランドのシグニチャーアイテムであるハイウエストのペンシルスカートを始め、ミニスカートのように見えるショートパンツにも、ギャザーやフリルを加えてフェミニンな雰囲気でいっぱい。まるでモダンでユニークなシェイプのティアラが、ガーリーなスタイルに気品あふれるラグジュアリーな雰囲気をプラスしていた。
万華鏡のようなグラフィックは1930〜40年代のクチュール全盛期にニナリッチとコラボレーションしたロシア人アーティストima de Plagnyへのオマージュでもある。クリエティブディレクターのPeter Copping(ピーター・コッピング)は、Zimaの持つグラフィック要素や素材のテクスチャーに、洗練されたパリジャンのエスプリと妖精のような透明感を加え、クラシカルに表現した。アイリス、デイジー、パンジーやブルーベルが織り成すハーモニーで、まさに百花繚乱だ。
そこへトロンプルイユのようなコスチュームジュエリーや、ニナ リッチならではのランジェリーのディテール、50年代風のスティレットヒールのパンプスやウェッジソールのサンダルを合わせて、女性ならではのフェミニンなスタイルを楽しんでいる。
おとぎ話の妖精やお姫様のようなスウィートでラグジュアリーな世界観を、繊細なクチュール技術で完璧に作りあげたコレクションだった。