アンブッシュ(AMBUSH)の2026年春夏ウィメンズ&メンズコレクションが発表された。
今回のコレクションテーマは、「トライブ オン ザ ムーブ(Tribe on the Move)」。ヴィンテージアメリカンのスタイルと洗練されたヒップホップを融合したブランドの原点を踏襲しつつ、新たな旅への出発を表現した。1970年代のジャパニーズ・ファンクに漂う多様性と自由な精神にインスピレーションを得て、自らのリズムを見つけていくエネルギーをクリエーションに映し出す。地図に縛られない旅路に寄り添うように馴染む、相棒のような服を提案する。
特徴的なのは、リラクシングなシルエットとラフな質感だ。例えば、サンウォッシュを施したヴィンテージライクなデニムには、これまで辿ってきた記憶や道のりを映すような、擦り切れたダメージや折り目が刻まれている。長めに余らせた裾は、その存在感を一層引き立てる。また、ボリューム袖のレザージャケットには、エイジング感のある柔らかな革を使い、ドレープが生まれるような仕立てに。飛び散ったようなブリーチ加工が目を引くジャンプスーツにも、ルーズな雰囲気が漂う。
遊び心溢れるデザインも。レザーパンツ、ウールのスラックス、デニムなどのウエストのパーツを組み合わせたボトムスは、変化を遂げる旅の途中を象徴するかのよう。ロゴバックルやスタッズ、シルバーなどをあしらったベルトを重ね付けしているかのようなデザインにも、枠組みにとらわれない自由な意思を感じ取れる。
全体としてレザーやベルトを多用したハードな印象のルックが散見されるが、タイトに仕立てた大胆な透け感のニットウェアやメッシュソックスをアクセントとしてプラスすることで、スタイリングに軽やかさと独創性を添えている。
また、コレクションに新鮮なリズムを与えているディテールにも注目。縫い目をあえて表面に残したジャケットでは、リズミカルなステッチがカジュアルなアクセントに。ワークウェアや制服を思わせるセットアップに規則的に配したスタッズや、フーディーの袖にあしらったフリンジは、ベーシックなシルエットに新たな表情を刻んでいる。
カラーは、大地と空からインスピレーションを得たパレット。太陽を思わせる焼けるようなオレンジのベストや、ノスタルジックなオリーブのTシャツは、壮大な自然の温もりを感じさせる。野性的な力強さを示すのは、アニマル柄のニットやファーパンツ。そしてそれらには、空色やレモンなどの爽やかな夏色を組み合わせている。
アクセサリーは、エネルギーを秘めたような存在感のあるシルバーや、手仕事の温もりが残るベルトが登場。惜しみなくラインストーンを散りばめたアクセサリーは素肌の上で煌めき、動きに応じて表情を変える。また、ローファーやパンプスなどのフットウェアは、無駄をそぎ落としたミニマルなシルエットで統一し、新しい一歩を踏み出すための意志あるデザインとして仕上げた。