MSML(エムエスエムエル)は、2026年春夏ウィメンズ&メンズコレクションを、東京・六本木ヒルズアリーナにて2025年9月4日(木)に発表した。
2025-26年秋冬コレクションに続き、2回目のショー開催となるMSMLが今季掲げたテーマは「Tokyo Rollin’(トーキョー ローリン)」。着想源となったのは、様々な人やカルチャーが集まり、光と影が交錯する東京という街。東京の喧騒にまみれながらも、転がり前進し続けていくというポジティブな意思表示をテーマに込めた。東京という都市の持つインパクトを、あえてモードの静謐さと掛け合わせることで、両極端な要素を共存させたミクスチャースタイルを提案している。
たとえば、2色のオンブレチェックシャツをラフにドッキングしたシャツルックは、うねるようにアシンメトリーなデザインに。身頃にタックを施すことで歪んだフォルムを強調している。
また、真っ赤なバラのプリントが鮮やかな白シャツには丸襟を採用し、モードの要素をプラス。分量感のあるブルゾンにはラメツイードを使用し、意外性のある素材使いでミックス感を表現している。
さらに、花柄刺繍を施したキューバシャツは生地とステッチの色を統一したオールブラック、もしくはオールホワイトで提案。ストリートスタイルの文脈を汲みながらも、シックなエッセンスとしてスタイリングに取り入れられていた。ロールアップすると袖や裾から異なる柄が現れるシャツとパンツのセットアップは、美しく整備された通りから路地に入るとカオスが広がっている、東京の街頭をデザインを通じて表現したピースだ。
散見されたのは、軽くしなやかな素材のアイテム。ストリートテイストの7分丈ワイドパンツに合わせたシースルーの白シャツやメッシュ素材のタンクトップをはじめ、透け感のあるピースが、軽快さとともにセンシュアルな雰囲気をもたらしていた。また、光沢を備えたスカーフも随所に用いられており、バンダナとして頭に巻いたり、ウエスト周りのアクセサリーとして用いたり、ショールのように肩にかけたりと、タフなストリートスタイルに柔らかなアクセントを加えていたのが印象的だ。
丸みを帯びたフォントのメッセージロゴを配したリンガーTシャツ、グラフィティ文字のロゴをプリントしたスウェットパンツ、スモーキーな色合いのボーダーTシャツなど、レトロなムードのアイテムも特徴的だ。
デニムブルゾンの襟には、ピンズやビジューなどがキラキラと輝きを放っている。また、ブラックのハーフパンツにチェック柄パンツをレイヤードした着こなしや、ローファーにあわせたルーズな履き方の白ソックスからも、90年代を彷彿させるような遊び心が見て取れる。