シャネル(CHANEL)が東京・銀座に展開するシャネル・ネクサス・ホールでは、インドのアーティスト、プシュパマラ・Nの展覧会「Dressing Up: Pushpamala N」を、2025年6月27日(金)から8月17日(日)まで開催する。
プシュパマラ・N(Pushpamala N)は、1956年に生まれ、インドを拠点に活動するアーティストだ。彫刻家として活動をスタートしたプシュパマラは、1990年代半ばより、さまざまな役柄に扮したフォト・パフォーマンスやステージド・フォトの創作をスタート。写真を軸に多様な分野で活動しつつ、女性性や国家といった枠組みを再考する作品を手がけてきた。
「Dressing Up: Pushpamala N」展は、「KYOTOGRAPHIE 2025 京都国際写真祭」に続いて開催される、プシュパマラの日本初個展。プシュパマラが初めてフォト・パフォーマンスに取り組んだ「ファントム レディ あるいはキスメット」、続編である「帰ってきたファントム レディ」、そしてセルフ・ポートレイトから構成される「ナヴァラサ スイート」の3つの写真シリーズを紹介する。
24点のモノクロ写真で構成された「ファントム レディ あるいはキスメット(Phantom Lady or Kismet)」は、1940〜50年代にかけてのフィルム・ノワール時代の映画をパロディ化し、写真の物語を紡ぎだすシリーズだ。プシュパマラが自ら仮面のヒロインに扮し、視覚文化、フェミニズム、インドの歴史などに取り組んだ作品となっている。
大胆な色調のカラー写真21枚からなる続編「帰ってきたファントム レディ(Return of the Phantom Lady)」では、現代のムンバイを舞台に、「ファントム レディ あるいはキスメット」のヒロインが再登場。自身の過去作品と、フォト・パフォーマンスを始める契機となった「ファントム レディ」というキャラクターを再考することで、現代の映画に繰り返されるインド社会の描写や、再開発により変貌を遂げる都市に光を当ててゆく。
「ナヴァラサ スイート(The Navarasa Suite)」は、インドの思想における9つの感情「ラサ」に着目し、緻密な演出のもとに構成されたセルフ・ポートレイト作品。サラの思想は、紀元前3〜1世紀に生まれたとされ、リアルな描写よりも美的な表現や感情を重視するものであった。プシュパマラは同作で、劇的な表現を駆使することで、写実性よりも幻想性や物語性を表現することを試みている。
展覧会「Dressing Up: Pushpamala N」
会期:2025年6月27日(金)~8月17日(日)
会場:シャネル・ネクサス・ホール
住所:東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング 4F
開場時間:11:00〜19:00
※6月27日(金)は17:30閉場、7月10日(木)・24日(木)は17:00閉場
※入場はいずれも閉場30分前まで
観覧料:無料
※会期中、アーティストトークやタブラ奏者U-zhaanによる音楽パフォーマンスを開催予定(詳細についてはウェブサイトを参照)