ブラン ワイエム(Blanc YM)の2025-26年秋冬ウィメンズ&メンズコレクションを紹介。
今季はクラシックな装いの中に“モードさ”を見出しつつ、洗練されたスタイルを追求。一見するとシンプルでオーセンティックだが、着用した時に独特の雰囲気を持っているウェアが揃う。
特に目を引くのは、なだらかに流れるようなフォルムのロングコートだ。ミニマルなステンカラーコートは、ひだが内側を向くインバーテッドプリーツを両サイドに配しているのがデザインのポイント。動きに合わせて波打つドレープが、優雅さを生み出している。無彩色で素材そのものの色味を生かしたアルパカウール地や、素材由来のハリ・コシを適度に残しながらも、柔らかくウォーミングに仕上げたヘンプ素材を用いて表情豊かに仕上げた。
また、シルクとスーピマコットンの混紡素材を用いたバルカラーコートも登場。1930年代の英国ブランドのバルカラーコートから着想を得ており、贅沢に2枚の表地を合わせて仕立てる「無双仕立て」を採用している。たっぷりとした分量感で身体をまるごと包み込むようなシルエットに仕上げており、羽織ると自然と身体のラインになじんでいく。
印象的なのは、リラックスしたフォルムに上質な素材をかけ合わせ、優しい風合いに仕上げたウェア。たとえば、直線的なパターンのジップアップジャケットや、緩やかなワイドシルエットのイージーパンツには、最高ランクのホワイトカシミヤと、オーストラリア産ファインラムズウールをかけ合わせたフランネル地を採用。柔らかくあたたかみのある表情で、心地良さとともに身体をリュクスに覆う。アルパカニットは、アンサンブル風に仕上げたプルオーバーに。緩めに編んだ編み地に縮絨を施し、カジュアルな表情をプラスしている。
また、ヴィンテージのスキースウェットからアイディアを得た“トレーナー風”のニットは、繊細な肌触りのカシミヤ混コットンを用いて、カジュアルさと上品さを兼ね備えた1着に仕上げている。
空気を含むような膨らみや、ソフトな感触の素材使いが登場している一方で、サラリとしたテクスチャーやシャカシャカシャカ感、手触りのあるウェアがアクセントの役割を果たしている。サッと羽織るだけで凛とした表情に変わるダイヤ柄キルティングのジャケットやシャツは、洗いをかけて細やかなシワを刻んだサテン地が光を反射して目を引く。
加えて、天日干しで乾いた質感に仕上げたコットンナイロンのワイドシャツ、糸の節が浮かぶネップ感のあるノイルシルクのスキッパーシャツ、肉厚なムートンのベストなど、たしかな手触りを感じられるようなウェアが散見された。