エンジニアド ガーメンツ(ENGINEERED GARMENTS)の2025-26年秋冬ウィメンズ&メンズコレクションを紹介。
ブランド創設時よりデザイナーを担当していた鈴木大器に代わり、宮本健太・小田木邦匡が率いる新体制となったエンジニアド ガーメンツ。新たなスタートとなる今季のテーマは「My Sound of Ensemble」。ニューヨークの通りから聞こえてくる話し声や音楽、様々な個性が行き交う街の空気感からインスピレーションを得た。ブランドのシグネチャーであるミリタリーやユニフォーム、ワークといったユーティリティスタイルに、ニューヨークの路地を思わせるようなエッセンスを組み合わせている。
印象的なのは、分量感のあるロングコートを羽織ったスタイルだ。冷え込む街の外気を遮るようにしてゆったりと身体を包み込むダッフルコートは、静かに佇んでいるだけでも存在感を放つ。温かみのあるグレーのウールメルトンをはじめ、楽譜に並ぶ記号のモチーフを大胆にプリントしたデニム地、パリッとした立体感のあるコットン素材など多彩な素材で展開されている。ネクタイを締めたセットアップに組み合わせれば洗練された表情を見せ、コーデュロイのオールインワンに組み合わせるとカジュアルなムードを楽しめる。
また、コーディネートのアクセントとして用いられるアイテムにも、ニューヨークの街角を連想させるような遊び心が加えられている。新聞紙や雑誌、メモ調などをざっくりと入れられる大きなポケット付きのベストは、新聞配達の少年風のデザイン。素材を合わせたセットアップスタイルや、アウターの上から重ねたアクティブなレイヤードスタイルで提案されている。
この他にも、“PIANO MAN”“NEW YORK”の文字を配した腕章や、小さなト音記号を並べた生地を切り替えたクレイジーパターンのシャツ、袖を取り外して着ることのできるキルティングの変形プルオーバーといった、目を引くアイテムが登場。ベレー帽やニットキャップ、ニュースボーイ風キャップと、帽子も多彩に揃えるなど、組み合わせ次第で様々なスタイルに変化させることのできる自由度の高さが、多様な人々の行き交うニューヨークのムードと交差している。
あたたかみのある色調に仕上げたワイドストライプやプレイドチェックのウールパンツやブルゾン、モノトーンのウールシャギーで仕立てたコートとハンティングジャケットのレイヤードスタイルなど、冬の景色になじむウォーミングな装いも散見された。
厚みのあるパッチワークジャカードのカラフルなスモーキングジャケットや、公園の木々を思わせるカモフラージュジャカードのパンツ、煙のようなプリントを施したウィンドブレーカーもまた、雑然とした街中に溶け込むような落ち着きとあたたかさを兼ね備えている。