ティート トウキョウ(tiit tokyo)の2025年春夏コレクションが、2024年8月29日(木)、東京・国立競技場のVIPラウンジにて発表された。
今シーズンの着想源となったのは、イタリア/フランス合作映画『胸騒ぎのシチリア』。恋人とともにシチリアでバカンスを過ごそうとする世界的ロック歌手のもとに、元恋人とその娘が突然押しかけ、彼女の静かなひとときがかき乱されていく、奇妙な人間模様を描いた作品だ。コレクションでは、誘惑や嫉妬が交錯するン生々しい感情の移ろいを、センシュアルな素材感のアイテムで表現した。
散見されたのは、肌を透かし、儚げな余韻を残すシースルーのピースだ。たとえば、開放感のある開襟シャツとショーツのセットアップは、ハリ感のあるレース素材を用いてロマンティックかつ軽やかな佇まいに。そのやわらかな質感とコントラストを描くように、首元にはパールの“セーラー付け襟”を配し、冷たい煌めきをプラスした。
カットアウトやパターンメイキングによって部分的に肌を見せる、ティート トウキョウ得意のデザインにも注目したい。身体のラインに寄り添うしなやかなリブニットは、フロントの一部をくり抜くことで女性らしさを演出。パンチングレース素材のパンツからもさりげなく素肌が覗き、上品な抜け感が漂っている。
かぎ編みのニットキャミソールに、パレオを思わせるスカートを組み合わせたコーディネートは、まさに“ビーチでのひととき”に相応しい装い。このほかにも、ヴィンテージ風のスカーフトップスや、スリップドレスを彷彿とさせる華奢なワンピース、ラフィア素材のハットなど、開放的なバカンスルックが多数登場した。
全体を通して、パレットはベージュやオフホワイトを中心としたニュアンスカラーで統一。肌の色に溶け込むようなウォームトーンで、ノスタルジックなムードを漂わせている。時折差し込まれるスパンコールとパールの夢のような輝きが、コレクションにアクセントをプラスしていた。