イザベル マラン(ISABEL MARANT)の2026年春夏コレクションが、2025年10月2日(木)、フランス・パリのパレ・ロワイヤルにて発表された。
今季のイザベル マランは、太陽に導かれるようにひとり旅に出た女性の物語からスタート。フラップポケットが際立つライトジャケットやカーゴトラウザー、ミリタリー調のジャンプスーツなどが冒険家の装いを彷彿とさせ、ロープベルトやドローコードといったユーティリティのエッセンスでさらに実用的なムードに引き寄せている。
陽にさらされて柔らかく風合いを増したウォッシュドシルクやジャージー素材には、旅路の記憶が刻まれているよう。レザーは熱によるエンボス加工で繊細な模様を刻み、ヴィンテージのような風合いに仕上げた。
冒頭で提案されたワーク・ミリタリーウェアは、ショーが進むにつれ、より軽やかに揺れ動くテクスチャーへと変化。羽のように軽いクロシェブラレット、刺繍入りのシアーなスモックブラウス、アシンメトリーなラッフルが波打つスカートなど、軽快なボヘミアンスタイルが次々に登場した。ニットはゆったりと肩をドロップさせ、ショーツを短くロールアップするなど、素肌を覗かせる着こなしも目に留まる。
イザベル マランの緻密なクラフツマンシップは、手仕事で仕立てられた装飾的なディテールに見て取れる。しなやかなブラックのキャミソールドレスには煌めくビーズフリンジを配し、耳元には繊細なビーズの花を咲かせて。ラメ糸で施されたフラワー刺繍やスパンコール、メタリックなアイレットもまた、ドライな風合いのスエードベストやコットンシャツにみずみずしい煌めきを添えている。
カラーパレットは、ナチュラルな色のスペクトラムを探求。サンド、エクリュ、ペールイエロー、ブロンズへと穏やかに広がった後、やがて沈みゆく太陽とともにブラックやヴァイオレットへと深く影を落とした。