バルマン(BALMAIN)は、2024-25年秋冬ウィメンズコレクションを2024年2月28日(水)にフランス・パリのパビリオン カンボンにて発表した。
メインモチーフは“ぶどう”。前シーズンではバルマン創始者のピエール・バルマンが愛したバラにフォーカスしたが、今季は彼の園芸の才能に着目している。庭の果実を取り入れたアーカイブのクチュール作品をリサーチする一方で、デザイナーのオリヴィエ・ルスタンは自身のルーツも投影。故郷であるボルドーの名産品であるぶどうをプリントや刺繍、立体表現に落とし込んだ。
「クラシカル」「エレガント」とよく形容される、“ボルドー”という都市の性格を反映した普遍的かつ優雅な佇まいにも注目だ。
豊潤なぶどうの実が黄金に輝く様子を大胆なグラフィックで描き出したコートやドレスをはじめ、みずみずしく立体的にぶどうを表現したビスチェや、ジャカードのドレスが登場している。
華やかなつづれ織りのロングドレスには、大粒ぶどうのイヤリングを合わせ、遊び心をプラス。また、ぶどうだけでなくりんごや桃など、様々なフルーツをモチーフに、アートピースのように仕上げたきらびやかなミニドレスも存在感を放っていた。
また、エスカルゴモチーフも繰り返し登場している。コートやジャケットのボタン、もしくはベルトの装飾として、ゴールドに輝くエスカルゴが華やかさを加えていた。ひときわ目を引いたのは、エスカルゴのフォルムをまるごとビスチェに落とし込んだルック。シンプルかつダイナミックなエスカルゴビスチェが、身体と呼応してオブジェのような佇まいを演出する。
シルエットはかっちりと、構築的に。肩パッドやコルセットによってボディラインを強調したルックが散見された。ボルドーによく雨が降ることからワードローブに取り入れられたトレンチコートをはじめ、凛とした表情に仕上げたサンドベージュのドレスやショートジャケットには、パワーショルダーを採用。身頃は体に添うストレートなフォルムに仕上げることで、緩急をつけ、その端正さを際立たせている。
印象的なのは、ゴージャスな立体感だ。扇のようにギャザー部分が大きく広がるレザードレスをはじめ、メタルパーツによってシャープな角度をつけたジャケットやベスト、ひだが大きく波打つミニドレスなど、立体的な造形によってリュクスな佇まいを生み出している。ラップスカートは斜めに生地が流れるように角度をつけてギャザーを寄せ、エレガントな雰囲気を漂わせた。
パリの伝統的な職人技と最新技術を組み合わせることで生み出される「ジョリー・マダム」バッグもまた、大胆な立体造形が目を引くアイテム。リュクスな新デザインで展開される。