今やハリウッド界きってのアクションスターとなったジェイソン・ステイサム。リュック・ベッソン監督のクライム・アクション映画『トランスポーター』で主役・フランク・マーティンを演じて知名度を世界的なものにし、その後『トランスポーター』、『エクスペンダブルズ』、『ワイルド・スピード』シリーズなどでもダイナミックなアクションシーンを繰り広げてきた。
そんなジェイソン・ステイサム主演の最新作、クライム・アクション映画『キャッシュトラック』が、2021年10月8日(金)に公開となる。
『キャッシュトラック』は、現金輸送専門の警備会社フォーティコ・セキュリティ社でキャッシュトラック(現金輸送車)の警備員として働く、謎多き主人公のパトリック・ヒル 通称“H”を中心に、大金強奪計画が絡み合うクライム・アクションだ。
過去と現在の描写が交差し、その因果関係が判明していくと同時に、主人公“H”と、彼を取り巻く各登場人物の思惑が明らかとなる。映画を見終わったあと、思わず誰かと答え合わせをしたくなるストーリー展開に注目したい。
ジェイソンが演じる主人公のパトリック・ヒル=“H”は、主人公であるにも関わらずとにかく謎に包まれている。目的のためには手段を選ばない、ポーカーフェイスの男だ。
厳しい訓練と試験を乗り越えた強者ぞろいの警備員の中、新人として採用された“H”は、入社テストも平均点。口数の少ない地味な存在で、周りから気に留められるようなこともなかった。
しかし、彼の乗ったトラックが強盗に襲われた際、驚くべき程の戦闘能力を発揮し、淡々と強盗たちを銃で撃ちぬいていく。さらに再び“H”の乗るトラックが襲われた際には、彼の顔を見た犯人たちが金を奪わずに逃げてしまう始末。同僚たちは、何か企みをもって入社してきたのではないかと、“H”の素性を不審に思い始める。
一方で、彼の周辺にはFBIやマフィアたちの存在が見え隠れしている様子も……。新人警備員であるはずの彼が、躊躇なく銃を撃てる理由はマフィアのボスとして活動していたからのようだ。
さらに、父としての一面ものぞかせる“H”。息子と楽し気に話す、良き父としての表情が特別映像にも収められている。
英雄<ヒーロー>なのか?悪党<ヒール>なのか?それさえも分からない主人公“H”の素性が、大金強奪計画が遂行されるうち、数々の伏線を通して紐解かれていく。
これまで数々のアクション映画に出演してきたジェイソンだが、ここまで顔色一つ変えず役をこなすのは前例がないはずだ。激しい銃撃戦も、絶体絶命の場面も、“クールな表情”を保ったまま切り抜ける。距離を縮めようとする警備員の仲間たちに対しても、どこか寄せ付けない雰囲気を漂わせ、それでいて任務は着実に遂行していく。静黙ながらも白熱したジェイソンの演技から目が離せない。
予告映像にも見て取れる、淡々と強盗たちを銃で撃ちぬいていく“H”の姿は冷酷非道にも思え、仲間を助けるためとは言えど、“ヒール”なのかと疑わずにいられない。彼をここまで突き動かす、その裏にある思惑とはいったい何なのか。